ピレリ、高荷重タイヤ発表 ルーシッド・エアに初採用

2021年07月28日

ゴムタイムス社

 ピレリは7月14日、電気自動車やハイブリッドカー、SUVに特化した、同社初となる新しい高荷重タイヤを発表したことを発表した。バッテリーを搭載する新モデルの重量を支えるために作られた同タイヤは、電気自動車のような車重の重い車に最適で、低い転がり抵抗と、高い操縦性および快適性を提供するために設計されている。

 サイドウォールにHL(ハイロード)マークが刻印されている同タイヤは、欧州のETRTO規格に準拠しており、スタンダードロードタイヤに比べて負荷能力を20%増やすことができ、同タイヤサイズのエクストラロード(XL)タイヤに比べても、さらに6~9%の負荷能力を増やすことができる。

 同社のHLタイヤを採用した最初の車となるのは高級EVのルーシッド・エアで、今年後半から米国で生産・販売される。同モデルに使用されるピレリPゼロのタイヤサイズは、HL245・35R21・99YXL(フロント)、HL265・35R21・103YXL(リア)で、この新しい高級EVセダンのために専用設計されている。ルーシッド・エア用Pゼロは、同社の「パーフェクトフィット」戦略に沿って自動車メーカーと共同で開発されたもので、要求性能を十分に満足させる製品となっている。同タイヤのサイドウォールには、ルーシッド・エア専用の「LM1」マークが刻印されている。

 オーダーメイドのPゼロには、ELECTとPNCSテクノロジーが搭載されている。ELECTは、低い転がり抵抗で航続距離を伸ばし、タイヤの回転時の音を抑えて快適性を向上させる。また、電気式トランスミッションで発生するトルクにタイヤのグリップが瞬時に応答するように配合が設計されており、車両の重いバッテリーの重量を支えるタイヤ構造になっている。さらに、車室内の快適性を高めるために、特殊な吸音材をタイヤの内側に配置したPNCSテクノロジーを採用して、タイヤ内に発生する空洞共鳴音を吸収し、車両側への伝播を抑える。このシステムの効果は、車室内でも車外でも実感することができる。

 

「HL」高荷重マーキングタイヤを発表

「HL」高荷重マーキングタイヤを発表

ルーシッド・エアに採用

ルーシッド・エアに採用

 

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