進化した氷上性能を体感 ブリヂストン、新商品試乗会

2021年07月19日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンはこのほどKOSE新横浜スケートセンター(神奈川県横浜市)で、9月1日より順次発売するスタッドレスタイヤの新商品「BRIZZAK(ブリザック)VRX3」の試乗会を開催した。

ブリザックVRX3

 VRX3の商品コンセプトは、氷上性能の大幅向上、ライフ性能、効き持ちの向上を実現した「新次元のプレミアムブリザック」。VRX3の氷上性能は従来品(VRX2)に比べて氷上ブレーキ性能20%向上、摩耗ライフ17%向上、さらに効き持ちも向上させた。通常、氷雪上性能を向上すると、相反するドライやウエット、静粛性、転がり抵抗など一般性能は低下するが、「VRX3は高い一般性能はそのままに、スタッドレスタイヤでより求められる氷上性能を大幅に向上させた商品になる」(同社)と紹介した。
 試乗会では、まずVRX2を装着したトヨタプリウス(FF)でスケートリンク内を周回しながら、コーナリング性能(旋回)、発進加速、制動時の3点に絞り、タイヤと路面の感触を確かめた。続いてVRX3をプリウスで同様に旋回、発進加速、制動時における路面の感触を確認することで、「VRX2とVRX3の違いを確認するとともに、VRX3の最大の特徴である断トツの氷上性能を確認できる試乗内容にした」(同社)。
 試乗会では、同社スタッフが運転するプリウスの後部座席に同乗する形で行った。まずはスケートリンク内に作った直径9m(目安)の円を3~4周(速度15km/h)を旋回し、グリップの高さや手応えのしっかりさ(重さ)、接地感(氷への密着感)、グリップの回復(戻り)の違いをVRX2、VRX3それぞれで確認した。試乗の際同社ドライバーは「タイヤの接地感はドライバーからすると安心感につながる」と話してくれたが、VRX2とVRX3を比べると、後部座席で試乗しても明らかにVRX3の方が氷の路面にタイヤが密着する感覚が伝わってきた。

試乗会の様子

 また、グリップの回復の速さでは、ハンドルを切り出したり、グリップを誘発させたりもしたが、クルマがオーバーラインに膨らんでから通常のラインに戻るまで回復時間はVRX2でも満足のいくものがあったが、VRX3を履いたクルマの方がよりスムーズにラインに戻る手応えがあった。
 次に発進加速の違いを体感した。発進加速では、発進時(空転のしにくさ)、加速時(加速のしやすさ)、速度の合わせやすさが主な体感ポイントとなり、試乗の際はクルマがリアクションコントロールが効いたなかでの加速感や出足のときの力強さ、ブレーキを踏んだ時のABSの違いをVRX2とVRX3でそれぞれ確認した。
 制動では、制動初期では減速度の立ち上がりの違い、制動中の減速感の違いなどを体感した。ドライバーは「VRX3の断トツの氷上性能がより伝わるように、リンク内の路面はスタッドレスにとってあえてシビアな路面に設定した」という。そうした厳しい環境でも、VRX3が進化した氷上性能を体感することができたが、「まだまだ我々がやるべきことはたくさん残っている」(同社)と語る。
 ブリザックの使命である「モビリティ社会の安心・安全を高める」「断トツの氷上性能を追求し続ける」という姿勢を改めて感じることができた試乗会となった。

断トツの氷上性能「VRX3」

 

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