東レ、アクスター増産決定 ポリエステル長繊維不織布

2021年07月16日

ゴムタイムス社

 東レは7月15日、集塵用フィルターや建材などに使われるポリエステル長繊維不織布「アクスター」について、滋賀事業場(滋賀県大津市)での増産を決定したと発表した。

 工業用集塵フィルター用途は、中国・新興国市場を中心とする環境規制強化に伴い、より集塵効果の向上や圧力損失の低減につながる高性能フィルター素材への要求が高まっている。また建材用途では、近年の激しい天候の変化を受け、長期耐久性や品質安定性を求める声が大きく、高性能素材のニーズが高まっている。

 同社の繊維事業では、2020年にスタートした中期経営課題「プロジェクトAP―G2022」の中で、不織布事業を成長領域と位置付け、事業拡大に取り組んでいる。その中でポリエステル長繊維不織布「アクスター」事業では、前述の環境規制強化に伴う工業用フィルター需要の拡大に対応した高性能フィルター素材の開発に取り組み、剛性と均一性に優れた次世代商品の開発に成功した。そこで同社は、これを機に「アクスター」の生産体制を拡充し、グローバルな顧客ニーズの増加に的確に応え、主力用途である工業用集塵フィルターや、もう一つの主力用途である建材用途において、同社独自の高付加価値素材による事業拡大を目指していく。

 同社は、地球環境問題や資源・エネルギー問題に対しソリューションを提供するグリーンイノベーション事業拡大(GR)プロジェクトの中で、サステナブルな社会の実現に向けて、省エネルギーやバイオマス、リサイクル、空気浄化などの幅広い分野で事業拡大に取り組んでいる。今後も、革新技術・先端材料の提供によって、世界が直面する「発展」と「サステナビリティ」の両立をめぐる様々な課題解決に貢献していくとしている。

 

アクスターが使われた工業用フィルターの例

アクスターが使われた工業用フィルターの例

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