ドクターベッタ哺乳びんに採用 BASFのウルトラゾーンP

2021年05月18日

ゴムタイムス社

 BASFは5月14日、ベビー用品メーカーであるズーム・ティーのブランド、ドクターベッタの哺乳びんに、同社のポリフェニルスルホン(PPSU)、ウルトラゾーンPが使用されていると発表した。

 ウルトラゾーンPは、安全で扱いやすいカーブのついたドクターベッタの哺乳びんに対してズーム・ティーが求める厳しい要件を満たしている。ウルトラゾーンP3010natは食品接触が認められており、優れた強度と耐薬品性、および180℃までの過熱蒸気に対する耐性を備えていることから、この哺乳びんは軽量で破損しにくく安全で、機械的・視覚的特性を損なうことなく長期間使用できる。さらに透明で淡いはちみつ色をしたウルトラゾーンP3010は、電子レンジや熱湯での滅菌も可能となっている。
 また、同社のPPSUは、押出ブロー成形にも適しているため、ドクターベッタ哺乳びんのような複雑なデザインにも対応できる。なかでも、ウルトラゾーンP3010は、押出ブロー成形に必要な卓越した溶融安定性により、哺乳びんの製造に使用される一般的なPPSU素材よりも優れた性能を発揮する。
 押出ブロー成形では、まずプラスチック溶融物をダイ(型)で押し出し、チューブ状のパリソンを形成する。次に、内圧を利用して溶融パリソンを膨張させ金型に押し当てることで、パーツ成形する。このプロセスにより、さまざまな厚みやデザインをもった複雑な形状の成形も可能になる。中粘度のウルトラゾーンP3010natは、固有の高い溶融安定性のため、このプロセスに特に適している。これにより、溶融して引き伸ばされたパリソンは、熱いダイ(型)付近でも安定した状態を維持することができ、均一なブロー成形を実現する。

 ウルトラゾーンは、ポリエーテルスルホン(ウルトラゾーンE)、ポリスルホン(ウルトラゾーンS)、PPSU(ウルトラゾーンP)を含む、同社のスルホン系樹脂製品群の登録商標で、電子機器、自動車、航空宇宙産業で使用される軽量部品のほか、ろ過用メンブレンや、熱湯や食品と接する部品にも使用されている。

 

ドクターベッタの哺乳びん

ドクターベッタの哺乳びん

 

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