TPE特集 日本ゼオン 粘接着剤用途の需要が堅調  高機能分野へさらに展開

2021年05月24日

ゴムタイムス社

 日本ゼオンの化成品事業は、スチレン系熱可塑性エラストマー(SIS)「クインタック」やC5石油樹脂「クイントン」など、C5留分から独自技術で各モノマーを抽出して行なう「C5総合利用」を代表する事業として、グローバル展開している。

 SISは粘接着剤のベースポリマー、紙おむつの伸縮材料などに使われ、同社水島工場で年6万tの生産能力となっている。一方、C5石油樹脂は、粘着テープやホットメルト接着剤の粘着性付与剤、トラフィックペイントのバインダーなど幅広い用途に使用されており、国内水島工場(年産4万t)とタイ工場(4.3万t)で生産している。

 20年度の製品別の動向を振り返ると、SISは粘着剤用途関連が非常に好調のほか、伸縮材料用途として使用されるおむつの需要が安定している。また不織布マスクの需要も伸長している状況だ。

 C5石油樹脂についても粘接着剤用途の需要が旺盛であり「コロナ禍で巣ごもりによるEコマース需要が増えることで梱包資材全般の動きがよく、粘着テープ需要が堅調に推移した」(化成品販売部販売2グループ長橋本貞治氏)ほか、海外のホームセンターで販売しているマスキングテープや養生テープといった

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