全社減収減益に ベルト3社の21年3月期

2021年06月02日

ゴムタイムス社

 ベルト3社の21年3月期連結決算は、全社が減収減益となった。期前半の経済活動の低迷により自動車用や産業用ベルトなどの売上が落ち込み、全社業績が悪化した。
 ◆バンドー化学
 売上収益が813億7100万円で前期比9・8%減、コア営業利益は49億3800万円で同6・0%減、営業利益は53億7700万円で同161・4%増、税引前利益は56億1800万円で同168・1%増、当期利益は39億4300万円で同477・7%増の大幅な増益となった。
 セグメント別に見ると、自動車部品事業の売上高は349億7500万円、同10・2%減、セグメント利益は23億8600万円で同12・1%増。国内では一般産業用伝動ベルトは、機械受注の減少により、産業機械用伝動ベルトの販売が減少。海外では中国、アジア地域などで農業機械用および産業機械用伝動ベルトの販売が増加したが、米国で産業機械用伝動ベルトの販売が減少した。運搬ベルトは、国内はコンベヤベルトや樹脂コンベヤベルトなどの販売が減少した。
 産業資材事業の売上高は302億3200万円で同7・7%減、セグメント利益は22億3800万円で同2・0%増となった。
 一般産業用伝動ベルトでは、国内の機械受注の減少により、産業機械用伝動ベルトの販売が減少した。海外では、中国、アジア地域などにおいて農業機械用および産業機械用伝動ベルトの販売が増加したが、米国では産業機械用伝動ベルトの販売が減少した。運搬ベルトでは、国内でコンベヤベルトや樹脂コンベヤベルトなどの販売が減少した。
 ◆ニッタ
 売上高が786億9700万円で前期比6・2%減、営業利益が28億6100万円で同18・9%減、経常利益が59億1000万円で同21・6%減、当期純利益が47億2300万円で同23・2%減。
 ベルト・ゴム製品事業の売上高は253億2900万円で6・2%減、セグメント利益は16億400万円で同18・7%減となった。国内は、物流業界向けや半導体業界向けが堅調に推移したが、金融機器向けや工作機械向けが低調。海外は、物流業界向けや郵便業界向けが堅調だった。
 ◆三ツ星ベルト
 売上高が648億6200万円で前期比8・7%減、営業利益が49億6800万円で同31・9%減、経常利益が57億5900万円で同24・8%減、当期純利益は40億6600万円で同25・6%減となった。国内ベルト事業は、売上高は247億7700万円で同9・1%減、営業利益は47億6200万円で同26・6%減。自動車用は、組み込みライン用や純正補修向けの販売はユーザーの生産回復に伴い増加傾向にあるものの、期前半の落ち込みが大きく、売上高が減少した。また、一般産業用や搬送ベルト、合成樹脂素材も期を通じて国内企業の生産活動が低調で、売上高が減少した。
 海外ベルト事業の売上高は296億1100万円で同8・9%減、営業利益は27億3500万円で同20・6%減。海外ベルト事業では、各国が実施したロックダウンにより経済活動が停滞し、全体売上高は期間累計では減少した。しかし、第3四半期以降、自動車用は米国や中国で需要の回復がみられ、年度当初に比べ大幅に受注が増加た。一般産業用は中国や東南アジアで農業機械向けの需要が回復し通期では増加。一方、OA機器用はオフィス向け機器の生産が減少した影響により売上高が減少した。

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