コンシューマープロテクション強化 ランクセスが事業説明会

2021年04月12日

ゴムタイムス社

 独ランクセスの日本法人であるランクセスは4月9日、オンライン形式で事業説明会を開催し、張谷廷河社長が20年度の業績と21年度の事業活動を説明した。
 20年度は、「厳しい経済状況にも関わらず、事業再編でバランスの良いポートフォリオを構築した成果により、比較的安定的に事業を継続できた」(張谷社長)とし、コンシューマープロテクション部門の新設、水処理事業の再編、イオン交換樹脂事業への注力、クロム化学品事業の売却などにより、財務体制が強化されたことを報告した。
 20年度のグローバルでの業績は、売上は61億400万ユーロで前年比10%減、EBITDAは8億6200万ユーロで同15%減、純利益は8億8500万ユーロとなった。純利益が大幅に増加したのはカレンタ社の株式を売却した事が主な要因。4部門中、消毒剤や塗薬分野が好調だったコンシューマープロテクション部門が増収になったが、自動車業界の需要低迷が響いたエンジニアリングマテリアルズ部門など3部門が減収となった。
 21年度はコンシューマー向け特殊化学品メーカーであるエメラルド・カラマ・ケミカル社の買収等の施策により、コンシューマープロテクション部門を更に強化していく。既存部門との相乗効果として「3年以内にEBITDAの上乗せ3000万ドルを見込んでいる」。
 21年度通期のEBITDA予測値は9億~10億ユーロを見込んでおり、全部門で良好な事業展開を予測している。
 日本事業の20年度の売上は約2・4億ユーロ、前年比2桁の減少幅となった。4部門中、コンシューマープロテクション部門のみ好調に推移したが、新型コロナウイルスの影響などで3部門は減収となった。
 また、支払いプロセス、サプライチェーン、業務プロセスのデジタル化を推進したことにより、東京オフィスでの在宅勤務率80%を維持しており、就業環境の整備も進めている。21年度はコンシューマープロテクション事業の強化、金属代替材料としての樹脂化による添加剤事業の強化、成長市場である電気自動車などのニューモビリティ向け軽量化ソリューションの提供などに注力していく方針。

張谷廷河社長

張谷廷河社長

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