ゴム連続混練の為のブッス・ニーダー技術

2021年02月25日

ゴムタイムス社

*この記事はゴム・プラスチックの技術専門季刊誌「ポリマーTECH」に掲載されました。
*記事で使用している図・表はPDFで確認できます。

特別寄稿

ゴム連続混練の為のブッス・ニーダー技術

㈱ブッス・ジャパン 平井和彦

1.はじめに

 スイス・バーゼル近郊のプラッテルンに本社をもつブッス社は、1946年に画期的な単軸往復動連続混練機の原理(図1)を発明したドイツ人技師Heinz List氏の参画によりブッス・ニーダーの開発製造を開始した。
 以降70年以上にわたりブラスチック業界をはじめアルミ業界、食品業界などにおける混練工程の生産性向上、製品品質向上に貢献してきた。その代表例として、バンバリーミキサーなどバッチ式が主流であった塩ビの連続混練化を始め、高充填が難しいハロゲンフリー難燃ポリオレフィン(HFFR)コンパウンド、厳しい透明度を要求される医療用の高品質PVCペレット、折れやすいガラス繊維による強化プラスチックコンパウンド、架橋ポリエチレン(XLPE)のペレット化などがある。
 なおブッス・ニーダーは、バッチ式であったニーダーを連続式にした最初の製品としてContinuous Kneader(連続ニーダー)略してCo-Kneader(コニーダー)の愛称と共に、現在に至るまで多くの製造現場で活躍している。
 最近では、より強靭で耐擦傷性、難燃性、耐候性などにも優れ、かつ省エネにもつながる材料の需要が着実に伸びている。このような特性は、多種多様な添加剤を均一に混合することでしか得ることはできない。また人手不足に伴う省人化のニーズや製品開発競争の激化という状況を踏まえ、これまで長年にわたり連続混練機を開発製造してきた専業メーカーとして、これまで以上にバッチ式から連続式への転換をサポートすると共に、繊細で温度に極めて敏感な化学材料の加工に用いられてきたその混練技術を進化させてきた。そして2018年には、これまでのブッス・ニーダーの技術を踏襲した次世代に向けた新しい連続混練機を開発した。

2.ブッス・ニーダー連続混練技術

 ブッス・ニーダーでは、スクリューが単純な回転ではなく、一回転する間に軸方向に一往復する動作を繰り返す。スクリューには混練フライト(羽根)が付いており、混練ピンが混練フライトの開口部に対応するようにバレル内面に固定されている。スクリューの回転と往復動の組合せにより混練フライトと混練ピンとの間で高度な分散混合をもつ強力なせん断流動が起こる。これによってマトリックス材料及び添加剤の凝集が崩壊する。径方向と軸方向の混合効果の組合せの結果、効率よい分配混合が行われ混練部の最終部分では均質的な混練を確実に行うことができる。
 混練の過程で非常に重要なせん断勾配は混練ピンと混練フライトの側面で作り出されるが、ここで重要なのはせん断ギャップ(Si)で、フライトピッチ全体にわたっている。(図2) この技術的特徴のおかげで、混練部においては製品は局所的な突出のない非常に均一で“穏やか”なせん断を得ることができる。そのせん断勾配は、樹脂などマトリックス材料を摩擦熱によって溶融させ、分配・分散混合に必要なエネルギーをまかなうのに十分な大きさを有している。しかもそのせん断効果は、マトリックス材料あるいは添加剤のいずれに対しても熱的または機械的な損傷をあたえることがない。そのような理由から、ブッス・ニーダーは、あらゆる種類の温度とせん断に敏感な材料の混練の為の最良の選択肢として確立されてきた。
 なおブッス・ニーダーにこのせん断キャップがあることにより、二軸押出機のようなスクリュー間のギャップがほとんどない混練装置と違い、ゴム材料がそのギャップに入り込めるのでせん断応力を加えることが可能になる。ブッスのスクリュー式システムがニーダーであると言っているポイントもここにある。
 更にブッス・ニーダーは、スクリュー径に比例したせん断ギャップを持つ唯一のスクリュー式混練機であり、せん断勾配は常に機械のサイズに関係なく、スクリュー回転数に直接比例している。このため、様々なサイズの機械へのスケールアップと混練条件の展開が非常に容易にできる。
 50年以上使用してきたいわゆる第一世代ブッス・ニーダーのスクリューは、外周に3枚の混練フライトが

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