高伸長性アクリル系エラストマー「Suave」シリーズの開発と用途展開

2021年02月25日

ゴムタイムス社

*この記事はゴム・プラスチックの技術専門季刊誌「ポリマーTECH」に掲載されました。
*記事で使用している図・表はPDFで確認できます。

特集1 多用化するエラストマーの用途展開と特徴

高伸長性アクリル系エラストマー
「Suave」シリーズの開発と用途展開

大阪有機化学工業㈱ 赤石良一

1.はじめに

 当社は1946年に設立後、1960年代よりアクリル酸エステルを製造、販売しており1)、またそれらを原料とするポリマー材料も拡販している。一方で1980年代に医薬中間体原料の受託製造を行うことにより精密有機合成技術を培った。現在では、自社ブランドとして機能性モノマー・ポリマーの設計、開発を行い展開している。さらに、当社技術を応用し、次世代材料として、柔軟で伸張性に富むアクリル系エラストマーを開発した。また、これらエラストマーをベースに伸縮性導電材料、有機圧電材料へと応用展開を進めている。本稿では、アクリル系エラストマー「Suave」シリーズと伸縮性導電材料「Suave-EL」シリーズ2)、さらに伸長性有機圧電材料への用途展開について紹介する。

2.伸縮性材料の動向

 伸縮性材料は、ストレッチャブルデバイス材料として使用することができ、最近様々な製品開発が行われている(図1)。
 その例として、ウェアラブルセンサ疲労評価システムを示した。2020年のオリンピックを背景に、建設業者や運搬業者の作業リスクを配慮したもので、作業者の心拍数、脈波、体温を検知したり、周囲の暑さを感知することができる。これらはヘルメット、ウェア、バンドとして着用する。ウェアタイプにはセンサ部分に伸縮素材が使用される。更にIoT技術により、センターを設置し情報を集約し、多数の作業者の健康状態を管理する。また日常の健康管理や介護システムにも伸縮素材や柔軟素材のセンサが開発されている。
 センサ材料のトピックスとして、伸縮性導電材料による指や体の動きのセンシング、ゲーム機(VR)などに利用できる振動などの刺激によるハプティクスデバイスなどがある。またプリンテッドエレクロトニクス技術の向上とともに、デバイスの微細化・軽量化が進み、パッチタイプの脳波センサが開発されている3)。

3.高柔軟性、高伸長性アクリル系エラストマー「Suave」シリーズ4)

 自社の機能性アクリルモノマーから設計した「Suave」シリーズの特徴は、低ヤング率(高柔軟性)、高伸長性であり、要望により低ヒステリシス(戻り性)も付与することができる(図2)。
 用途としては、ストレッチャブルセンサの基材や保護膜、ソフトアクチュエータやストレッチャ

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