繊維・製品は増収増益 帝人の4~12月期 

2021年02月12日

ゴムタイムス社

 帝人の21年3月期第3四半期連結決算は、売上高が6097億4100億円で前年同期比5・8%減、営業利益は452億4300万円で同6・2%減、経常利益は428億5700万円で同9・7%減、四半期純利益は268億2200万円で同11・1%減となった。
 新型コロナウイルス影響下、繊維・製品事業で医療用防護具(ガウン等)の供給拡大による売上貢献があった一方、マテリアル事業での自動車・航空機用途の需要減、ヘルスケア事業における薬価改定影響があり、全体として減収となった。営業利益は、繊維・製品事業における医療用防護具(ガウン等) の貢献、堅調なヘルスケア事業の販売やIT 事業の好調持続により減益幅を縮小した。純利益は営業利益の減少等に伴い減少した。
 セグメント別では、マテリアルセグメントは、売上高が2060億円で同17・7%減、営業損失は3億円(前年同期は172億円の利益)。アラミド繊維分野では、タイヤ補強材、摩擦材などの自動車関連や光ファイバーを中心に、用途全般において販売量が減少したものの、各市場の販売量は回復傾向。ポリカーボネート樹脂分野では、ノートパソコン向けの特需はあったが、事務機用途や自動車用途での需要減により販売量が減少した。炭素繊維分野では、航空機用途において販売量が大幅に減少した。複合成形材料分野では、米国自動車市場が第2四半期以降回復し、自動車部品の生産・販売が大幅に改善した。
 ヘルスケアセグメントは、売上高が1119億円で同6・2%減、営業利益は258億円で同11・3%減となった。医薬品分野では、「フェブリク」や先端巨大症・下垂体性巨人症/神経内分泌腫瘍治療剤「ソマチュリン」の販売量は順調に拡大した。在宅医療分野では、在宅酸素療法(HOT)市場においては、病院内の感染回避のため在宅医療導入が選択されるケースの増加が継続しており、レンタル台数が増加した。
 繊維・製品セグメントは、売上高が2371億円で同2・4%増、営業利益は163億円で同286・8%増。新型コロナウイルス拡大により需要が急増した医療従事者向け医療用防護具(ガウン等)の早期大量供給が、業績に大きく寄与した。感染予防のヘルスケア関連製品や水処理膜向けのポリエステル短繊維の販売も好調を維持した。自動車関連部材は期間後半にかけて回復した。
 ITセグメントは、売上高が423億円で同23・2%増、営業利益は69億円で同25・2%増。ネットビジネス分野の電子コミック配信サービスが、上期からの読者層の拡大を背景に、引き続き好調に推移した。
 通期予想は直前に公表されている業績予想から修正し、売上高は8100億円で前期比5・1%減、営業利益は550億円で同2・1%減、経常利益は530億円で同2・5%減、当期純損失は100億円と見込んでいる。

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