各社厳しい業績に タイヤ4社の非タイヤ部門

2021年03月01日

ゴムタイムス社

 タイヤ4社の20年12月期の非タイヤ部門は、各社とも厳しい業績となった。ブリヂストンは多角化事業で調整後営業利益が167億円の損失、住友ゴム工業はスポーツ事業が7億円の事業損失、TOYO TIREの自動車部品事業は20億円の営業損失となった。

 ◆ブリヂストン
 非タイヤ事業である多角化部門は、ベルトやホース、免震ゴムなどの化工品事業、スポーツ用品事業、自転車事業で構成される。同部門では、生産拠点の再編など抜本的な事業改革を進めている。
 20年度の同部門の売上収益は5101億円、調整後営業利益は97億円。内訳は化工品事業の売上収益は2204億円、調整後営業利益は167億円の損失、米州多角化事業の売上収益は2217億円、調整後営業利益は256億円、スポーツ・サイクル事業の売上収益は657億円、調整後営業利益は1億円の損失となった。

 ◆住友ゴム工業
 非タイヤ事業は、スポーツ事業と産業品他事業で構成される。20年度のスポーツ事業の売上収益が702億5700万円で同17・1%減、事業損失は7億4100万円(前期は42億9100万円の利益)となった。下半期のゴルフ・テニス用品は海外販売が順調で前年同期比増収となったが、上半期の販売減を補うには至らず、通年売上は前年同期を下回った。産業品他事業の売上収益は407億円で同0・9%減、事業利益は31億8600万円で同6・2%減。医療用精密ゴム部品や制振ダンパーが堅調に推移し、コロナ対策として使い捨て手袋の需要も増加。ただ、OA機器用精密ゴム部品などが減少し、全体で減収だった。
 21年度の業績予想では、スポーツ事業は売上収益が835億円で同19%増、事業利益が30億円の利益(前年度7億円の損失)、産業品他事業は売上収益が445億円で同9%増、事業利益が35億円で同10%増を見込む。

 ◆横浜ゴム
 非タイヤ事業は、MBとATGで構成される。20年度の両部門合計の業績は、売上収益が1636億円で同13%減、事業利益は121億円で同35%減となった。MBは、売上収益が985億円で同17%減、事業利益は38億円で同54%減。ホース配管事業は、ホース配管は、建機用は中国向けが堅調だったが、国内を中心に需要が戻らなかった。自動車用はコロナによる第2四半期までの落ち込みが響いた。工業資材事業は、国内で海洋商品が堅調に推移した一方、国内外でコンベヤベルトの販売が振るわず減収。ハマタイト事業は、国内建築用のシーリング材は新築需要の低迷やコロナによる建築中断の影響で減収だった。
 ATGの売上収益は650億9600万円で同8%減、事業利益は88億1200万円で同15%減。OHT(オフハイウエイタイヤ)の下期販売は前年を上回ったが、上期の落ち込みをカバーするまでには至らなかった。

 ◆TOYO TIRE
 非タイヤ部門である自動車部品事業の20年度は、売上高が371億1000万円で同16・7%減、営業損失は20億2000万円(前期は29億1900万円の損失)。新型コロナウイルスの感染拡大による完成車メーカーの生産調整の影響を受けた。
 21年度の同事業は、売上高が390億円で同5・1%増、営業利益が20億円の損失(前期は20億2000万円の損失)を見込んでいる。

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