利益面は当期間で過去最高 デンカの4~12月期

2021年02月10日

ゴムタイムス社

 デンカの21年3月期第3四半期連結決算は、売上高が2619億8500万円で前年同期比9・2%減、営業利益が280億3000万円で同16・7%増、経常利益が272億9900万円で同20・2%増、四半期純利益が188億9000万円で同13・1%増となった。

 電子・先端プロダクツ製品や新型コロナウイルスの抗原迅速診断キット「クイックナビ」の販売は順調だったが、全体的には世界的な景気後退による需要減による販売数量減少、原材料価格の下落に応じた販売価格の見直しもあり、減収となった。利益面では、成長分野製品の伸長や固定費の削減などにより、営業利益と経常利益がそれぞれ第3四半期連結累計期間として過去最高となった。

 セグメントのうち、エラストマー・機能樹脂部門は、売上高が864億2000万円で同22・9%減。クロロプレンゴムの販売は、足元では回復傾向に転じてきたが、感染症拡大などによる世界経済低迷の影響を大きく受け、自動車産業を中心に全般的に生産活動が停滞したことから前年を下回った。また、スチレンモノマーやデンカシンガポール社のポリスチレン樹脂およびMS樹脂の販売は、原材料価格の下落に応じた販売価格の見直しを行ったことから減収となった。

 通期の業績予想は、売上高は3500億円で前期比8・1%減、営業利益は330億円で同4・5%増、経常利益は300億円で同0・1%減、当期純利益は220億円で同3・1%減を見込んでいる

 なお、電子・先端プロダクツ部門は、売上高が514億9400万円で前年同期比3・1%増。球状アルミナや高純度導電性カーボンブラックはxEV関連を中心に販売が伸長し、電子部品・半導体関連分野向け高機能フィルムや球状溶融シリカフィラーも、5G関連やデータセンターの世界的な需要の拡大により好調に推移した。  一方、自動車産業用向けの金属アルミ基板ヒットプレートの販売は前年並となったが、高信頼性放熱プレート「アルシンク」は前年を下回った。
 また、生活・環境プロダクツ部門は売上高が255億9200万円で同9・0%減、ライフイノベーション部門は売上高が366億1100万円で同27・4%増となった。

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