年頭所感 全日本プラスチックリサイクル工業会 石塚勝一会長

2021年01月20日

ゴムタイムス社

 

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 新型コロナ感染が再三の猛威を振るっている中、医療従事者の皆様には感染防止のため大変なご尽力をされていること、心より敬意を表します。

 昨年はプラスチックリサイクルにとって、話題の多い年であり、また新たな取り組みが始まった年でもありました。プラスチックは軽量化ができ、成形性にも優れた素晴らしい素材ですが、海洋プラスチック問題でプラスチックそのものが悪者として報道されたことは、誠に残念でありました。一方で今までプラスチックが様々な用途に使用されてくる中、使用後について余り考えてこなかったことも確かにあります。

 昨年、菅義偉総理が2050年までにカーボンニュートラルを発表し、米国もパリ協定復帰を考えているようです。このことは、世界の流れが一気に二酸化炭素削減に動くことが予想されます。更に、国連で採択されたSDGsは世界の潮流となりその実行の重要性が増しております。そのような環境下、国内は「今後のプラスチック資源循環施策のあり方について(案)」をまとめ、真剣に廃プラスチックを回収し資源化していく取り組みを開始しました。今年は具体的な政策が出される重要な年になると期待しております。

 当工業会は静脈側で発生した廃プラスチックを回収し、リサイクル材を製造して動脈側の企業に送り出す心臓産業的な役割を担っております。今までは、リサイクル材の過半数は海外に輸出されておりましたが、各国が輸入規制を厳しくする中、今年からはバーゼル条約の厳格化で輸出の大幅な減少が見込まれております。その分国内にリサイクル材が余る訳で、資源循環を完成させるためには動脈側企業により一層の需要喚起をお願いすることが重要と考えます。

 この機会に、リサイクル材の環境的優位性やどのように作られ、どのように品質が担保されているか等、リサイクル材に関する情報を積極的に発信すると共にリサイクル材の規格化を進め、リサイクル材を安心してご使用いただける様、努めて参ります。リサイクルを通して環境にやさしい社会づくりに貢献して参りますので、本年もよろしくお願い申し上げます。

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