2021年年頭にあたって

2021年01月01日

ゴムタイムス社

 謹んで新年のごあいさつを申し上げます。昨年中はご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
 昨年を振り返りますと、新型コロナに翻弄された1年でした。コロナ感染拡大を受け、世界各国が相次ぎロックダウンを実施したのに続き、日本も4月に緊急事態宣言が全国に発出され、国内外の経済活動が一時大きく停滞する事態に陥りました。

 新型コロナがゴム・樹脂業界に与えた影響は甚大でした。業績面ではコロナ影響で売上・利益が落ち込んだ企業が大半を占めましたが、各国の自動車生産の復調により、ゴム・樹脂企業の業績は回復途上にあります。

 一方、コロナを機に働き方を見直す企業が増えています。在宅勤務を含めたテレワークの導入や、WEBツールを使った商談など「今までできなかったことがコロナで一気に加速した」との声が企業トップから多く聞かれました。ニューノーマルな働き方に変える必要がこれから高まりそうです。

 日本のゴム生産量をみると、昨年はコロナ禍で前年比2割程度落ち込む見通しです。ただし、タイヤはクルマを足元から人々の移動を支え、コロナ禍でも安定した物資の供給に貢献しました。また、政府の要請で医療機関へゴム手袋を供給する動きもみられました。
 改めて、ゴム・樹脂の素材が持つ「強靭でしなやか」という強みが我々の社会生活を支え、命を守ることにつながったことに感懐を抱きました。

 さて、今年に目を転じると、ゴム・樹脂業界を取り巻く環境は、コロナ収束が大きなカギを握りそうです。一方、菅義偉首相の「カーボンニュートラル2050」や、小池百合子都知事の「2030年までにガソリン車実質ゼロ」の発言や表明に見られるように、ゴム業界も環境への取り組みや変革が進む自動車産業への対応を今以上に求められる年となりそうです。

 弊社は報道機関の一端を担う立場として、今年も正確で迅速な情報提供を肝に銘じ、ゴム・樹脂業界の健全な発展に微力を傾注する所存です。今年もご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

ゴムタイムス社
   社長 稲垣幸一

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