再生炭生産設備を増設 クラレ、欧州ベルギー拠点で

2020年09月25日

ゴムタイムス社

 クラレは9月23日、使用済み活性炭を再生した再生炭の世界的な需要拡大に対応するため、米国子会社カルゴン・カーボン社の欧州拠点の一つであるベルギー・ケムバイロン社のフェルイ工場において、生産設備を増設することを決定したと発表した。稼働時期は2022年下期の予定となっている。

 活性炭は、瀝青炭やヤシ殻などを原材料として加工した表面に微細孔を持つ炭素材料で、微細孔の大きさや形状によってさまざまな用途に使用されている。近年、水・大気の浄化など環境関連用途で広く使用されており、特に欧州では環境規制強化や、天然資源の持続的利用、二酸化炭素排出量削減などの環境意識の高まりを追い風に、排出ガス処理、排水浄化等の工業用途において再生炭の需要が拡大している。

 カルゴン・カーボン社は、同社が2018年に買収した瀝青炭ベース活性炭のグローバルトップメーカーで、使用済み活性炭を高温熱処理して再び性能を回復させる活性炭の再生事業においても、世界有数の地位を占めている。ベルギー・フェルイ工場は欧州における再生事業の中核工場で、1974年に稼働を開始した。今回、同工場において工業用途向け再生炭生産設備を増設することで、同社は引き続きグローバルに安定した活性炭の供給体制の拡充に取り組み、環境問題へのソリューションを提供していく。

 同社グループは、創立100周年を迎える2026年のありたい姿「独自の技術に新たな要素を取り込み、持続的に成長するスペシャリティ化学企業」を長期ビジョンに掲げ、その実現に向けた2018年~2020年度の3ヵ年の実行計画として、中期経営計画「PROUD 2020」を推進している。同社は、今後も将来の安定した事業ポートフォリオ構築を目指し、成長事業への投資を継続して実施していくとしている。

 

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