【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情52 コロナ禍による世界のゴム事情(前編) 加藤進一

2020年09月14日

ゴムタイムス社

 新型コロナウイルスの影響はまだまだ続いており、「WITH コロナ」でやっていくしか方法がないようです。今回は当社(加藤事務所)の世界各国の取引先を通じ2020年5~8月の世界のゴム事情を調べてみました。

 ご承知のとおり、1月下旬に中国で発生した新型コロナウイルスは、人々の動きや経済を止めました。自動車の販売や生産が2~5月に大幅に減りました。その動きは、中国からヨーロッパ地区に、次に米国とアジアに広がり、さらに日本に、最後にインド、南米に拡大していきました。

中国のタイヤ工場の稼働率

中国のタイヤ工場の稼働率

 中国は2月に入ると、ほとんどの経済活動が止まり、自動車生産やタイヤ生産も停止しました。一方、回復も早く、グラフの通りタイヤ工場の稼働率でみると、3月からぐんぐん回復し、7月には前年とほぼ同じレベルに戻り、8月は前年より高い稼働率になっています。中国政府主導で生産を増やしており、タイヤとしての在庫が溜まっているという報告もありますが、日系タイヤ工場も現在はフル稼働になりつつあります。

 その次に、ヨーロッパ地区で新型コロナウイルスが拡大し、4~5月はゴム工場をはじめとするタイヤ工場は続々と生産停止や減産になりました。イタ

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