イソプレンゴム(IR)|合成ゴム

2020年08月22日

ゴムタイムス社

【開発経緯概略】
イソプレンをZiegler触媒またはリチウム触媒を用いて重合することにより得られるシス1,4-ポリイソプレン構造を有する合成ゴムである。天然ゴムに極めて類似した分子構造を有するため、基本的な性質は天然ゴムに近く、加工性が天然ゴムよりも短時間で素練りができるものである。シス含有量のもっとも高い合成ポリイソプレンは97%であるが、それでも機械的性質は天然ゴムに比べて劣る。これはイソプレンのシス含量が低いことと、結晶化速度が低下するためである。
IRは、自動車タイヤ・チューブの他に粘着剤原料、医療器具などに用いられる。

【性質、加工、その特徴】
① 補強材を加えない場合の引張強さ、引裂き強さが大きい。
② 吸水性、耐老化性にも優れ、電気的性質が良好である。
③ 振動を加えたときの発熱が少ない。
④ 加工前の素練りは不要であるか、必要な場合でも短時間ですむ。
⑤ 圧延時、押出時の縮みが小さく、高速で流動する時の粘度が低いなどの点が優れている。
⑥ 加硫前のコンパウンドの強度(グリーン強さ)が弱く、自重で流動することがあり、加硫ゴムの強度が劣っている。
⑦ 天然ゴムと比較すると、合成物のため、品質が安定し、純度も高く、ゴミなどの異物がない。

【新製品への応用と主な用途】

全文:約581文字

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