コロナ禍でも販売好調 住友ゴムの高機能商品

2020年08月17日

ゴムタイムス社

山本悟社長

 住友ゴム工業の山本悟社長は8月6日電話会議方式で開いた決算説明会で、今年2月に発表した新中期計画の進捗状況を説明し、新中計で掲げる「高機能商品の開発・増販」の取り組みが着実に進んでいることを紹介した。

 新中計では、中計達成の実現に向けたテーマとして「バリュードライバー」を挙げ、同テーマに沿った「高機能商品の開発・増販」「新たな価値の創出」「ESG経営の推進」の3点を設定している。

 高機能商品の開発・増販では、米国はSUVや4✕4向けタイヤ「WILDPEAK」シリーズが好調に推移。コロナ影響で市場が大きく減少した上期でも、「同シリーズは市販用で前年同期比1・4倍と絶好調だ」(山本社長)と話した。また、同シリーズの新車装着車も着実に増え、米国におけるファルケンタイヤの拡販に貢献しており、「商品力、供給力、販売力の基盤強化に取り組んできた成果だ」(山本社長)と語り、同シリーズへの手応えを強調した。

 一方、コロナ感染拡大が収束に向かい、いち早く市場が回復してきた中国では、タイヤの注文・決済ができるオンライン受発注システムが奏功し、プレミアムタイヤ「SP SPORT MAXX 050」シリーズが好調。また、大口径低燃費タイヤの新車装着の拡大も進む。

 欧州ではウルトラハイパフォーマンスタイヤ「AZENIS FK510」に加え、昨秋に投入したSUV用の「WILDPEAK A/T AT3WA」も計画以上の販売を見せている。  

 さらに3月に発売した、プレミアムコンフォートタイヤ「VEURO VE304」も販売は計画を大きく上回り好調だ。同社は新中計の骨子で「新市場への挑戦、新分野の創出、飽くなき技術革新」を掲げる。このうち、同タイヤは飽くなき技術革新のキーコンセプト「スマートタイヤコンセプト」の1用途である性能持続技術を搭載したもの。同タイヤは新素材「水素添加ポリマー」を採用し、ウエットグリップ性能を長続きさせることが可能。かつ静粛性やデザイン性も備え、「絶好調といえる状況にある」(山本社長)と紹介した。

 産業品事業では、医療用精密ゴム部品の国内販売が好調。スロベニア工場も稼働し、欧州の医薬品メーカーへ供給が拡大している。戸建て住宅用制震ユニットも「MIRAIE(ミライエ)」を軸に拡販していく方針だ。

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー