合成ゴムの価格改定相次ぐ 設備更新や修繕費増を理由に

2020年08月07日

ゴムタイムス社

 JSRが7月1日納入分から合成ゴム・エマルジョン製品を値上げすると発表したのに続き、日本ゼオンも8月17日出荷分より合成ゴムの販売価格を改定すると発表した。製造設備の老朽化対策として、2社は設備更新や修繕を定期的に実施してきた。これら費用は自助努力で吸収すべく努力を重ねてきたが、自助努力だけではこの状況を乗り切ることは難しいと判断し、価格改定を決めたとしている。

 日本ゼオンは8月3日、合成ゴムの販売価格を8月17日出荷分より改定すると発表した。改定幅は11~22円/kg。

 販売価格の改定について同社では、合成ゴム事業は数十年にわたり生産を続けているが、顧客への製品の安定供給及び品質の維持向上の期待に応えるため、製造設備老朽化に対する各種設備更新、修繕を定期的に実施してきた。環境・安全への世の中の要求が高まる中、同社では自助努力で吸収すべく努力してきたが、昨今の経済環境の厳しさも重なり全てを賄いきれないと判断し、価格の改定を決めたとしている。

 JSRは6月22日、合成ゴム・エマルジョン製品を7月1日納入分から値上げすると発表。価格改定幅は合成ゴム・エマルジョン製品ともに20円/kg以上となっている。

 同社は価格改定について、合成ゴム・エマルジョンプラントは稼働開始から数十年が経ち、製造設備の老朽化が進む中で、顧客へ継続して安定生産・供給を図るために老朽化対策に加えて環境対策、東南海地震等への耐震対策、労働安全対策などの各種大型投資・修繕を実施してきた。

 同社はここ数年、これらの費用増加を自社で吸収しながら対応してきたが、自助努力だけでこの状況を乗り切ることは難しいとの認識に至り、今後も安定的な製品供給を続けるために値上げを実施することにした。

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