ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD)|熱硬化性樹脂

2020年08月18日

ゴムタイムス社

【開発経緯概略】
ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD)は、シクロペンタジエンを高温無触媒で熱重合して製造する。この場合、スチレンやC4~C5の共役ジエン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、無水マレイン酸、フェノールなどの種々のモノマーとの共重合が可能である。また、DCPD樹脂のもつ二重結合を完全に水素添加すると、無色・透明で、耐熱性・耐候性の優れた水添DCPD樹脂が得られる。
DCPD樹脂は、他のC5系石油樹脂やC9系石油樹脂と比べて不飽和度が高いので、反応性に富み、乾性油やアルキド樹脂、ロジン誘導体などと加熱すると共硬化する。また、軟化点が高いわりに分子量が小さいので、溶液・溶融粘度が低いことから種々の化学変性を行いやすい。たとえば、エステル基や水酸基を有するタイプでは、アルコールやケトン、エステル類に対する溶解性やエポキシ樹脂、アミド樹脂との相溶性を改良することができる。
ジシクロベンジエン樹脂はRIM成形により大型で複雑な形状の成形品を製造できる画期的な新素材となる。

【性質、加工、その特徴】
DCPD-RIM成形品について
① 汎用エンジニアリングプラスチック相当の強靭な物性を示し、低温衝撃に強くかつ耐熱性(荷重たわみ温度:120℃)が要求される成形品に適する。
② 肉厚成形品に最適である(数10mm厚の実績あり)、金属と比較し1/3~1/8に軽量化が可能で、より大きな部品にチャレンジが可能。
③ 複数パーツの一体化が可能なため大きなコストメリットが期待できる。

【新製品への応用と主な用途】

全文:約854文字

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