【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情50 エジプトのゴム産業(前編) 加藤進一

2020年08月22日

ゴムタイムス社

 新型コロナウイルスの影響は、国内のゴム産業に相当な悪影響を与えています。特に自動車ゴム部品メーカーの稼働率が5月だけでなく、6月も低いままで、稼働率50%以下の工場が数多くあります。7月には、なんとか需要が回復してもらいたいものです。

 世界全体を見ても、ヨーロッパも米国も工場が再開したとはいえ、まだ稼働率が50から60%程度です。世界的に見て、2020年のゴム産業の総需要が2019年に比べて最低でも20%減というところです。さらに新型コロナウイルスの第二波がくると、さらに落ち込む可能性があります。

タイヤ古チューブの買い付け先に訪問

タイヤ古チューブの買い付け先に訪問

 さて、今回はエジプトのゴム事情を紹介します。エジプトはアフリカ大陸の北側にあるアラブ系の国です。私は2007年にカイロ市にある取引先を訪問し、タイヤの中古チューブの買い付けに行きました。これを日本に輸入して再生ブチルゴムの原料として再生ゴムメーカーに供給します。エジプトで砂漠の上を走っていたトラックのタイヤ古チューブです。

 エジプトはアラブ世界の国であり、商談の途中でもイスラム教のお祈りの時間があります。私の経験からいうと、訪問した会社の社長が商談を中断し床にじゅうたんを敷き、メッカの方を向いて、コーランの教えに従い、いつものお祈りをします。それが終わると商談の続きを始めるという面白い経験をしました。また、その会社に電話すると、電話保留の音にはコーランが流れます。

 商談が終了後、時間があったので、カイロ郊外の有名なピラミッドとスフィンクスを見に行きました。写真のとおりです。ピラミッドでは内部に入れることができます。ピラミッドからみて市街地側は、観光バスが並び、その先はすぐ近くまで家が迫っていて市内のすぐ脇という感じです。

 取引先との食事では、エジプ

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