炭素繊維複合材料の事業拡大 東レ、リリウム社と供給契約

2020年07月27日

ゴムタイムス社

 東レは7月14日、ドイツのリリウム社と、リリウム社が開発中の「リリウム・ジェット」に使用する炭素繊維複合材料の供給契約を締結したと発表した。

 UAM(Urban Air Mobility)は、都市部の交通が抱える渋滞・騒音・大気汚染といった課題の解決に繋がる新交通システムとして期待されており、現在は各国において、UAMの商業運航開始に向けて機体や運航システムの開発、法制度の整備が進んでいる。また、UAMは「空飛ぶ車」とも呼ばれ、垂直離着陸が可能な小型電動機を主流に開発が進んでいる。リリウム社は、UAMの開発のトップランナーの1社であり、UAMの機体製造と輸送サービスの開発・事業を展開している。

 UAMにおいては、機体の軽量化など様々な要求に応えるため、炭素繊維複合材料の果たす役割が極めて重要となる。同社はUAMメーカーとの協業を深化させながら、機体の高性能化・省エネルギー化・低コスト化に向けた革新的な複合材料の開発を継続している。今回のリリウム社との取り組みは、この一環として実現されたもの。リリウム・ジェットは、300kmを60分以内に飛行する5人乗りの垂直離着陸型であり、胴体、主翼、動翼などに炭素繊維複合材料が使用される。なお、リリウム社は、2025年の商業運航開始に向けて機体の開発を推進中。

 同社の炭素繊維複合材料事業は、2020年5月に発表した中期経営課題「プロジェクトAP―G 2022」において、UAM用途に向けた事業基盤を戦略的に拡充する方針であり、UAM特有の諸課題に応える炭素繊維複合材料の開発を通して、都市部における環境問題の解決に貢献していく。今後も、同社グループ内の連携をさらに強化し市場のニーズに迅速に対応していくことで、素材の力で社会を変革していくとしている。