デンカ 青海工場でデボトル増強 医療用手袋向け需要に対応

2020年07月13日

ゴムタイムス社

 クロロプレンゴム(CR)の世界のトップメーカーであるデンカ(東京都中央区、山本学社長)は、新潟県の青海工場で、昨年10月の定修時にデボトルによる年間数千トンの能力アップを予定通り実施した。ラテックスの供給能力も増強され、需要が拡大する医療用手袋向けラテックス需要に対応する。

 同社のCR「デンカクロロプレン」は、青海工場(年産10万数千t)と米国DPE社(推定5万t)の2拠点体制で製造され、その8割以上が輸出向けとなる。19年度は、世界的な需要減速や米中貿易摩擦の影響から販売数量が減少した。

 CRの需給バランスについては、同社の増強のほか、海外メーカーの能力増強や生産再開を受けて、供給面でタイト感が緩んできた。これまで安定供給で手いっぱいだった同社も、今後は新規需要に対応し顧客の成長を支えていく方針で、付加価値を付与した差別化製品の開発に力を入れている。一方、需要の面では、足元で新型コロナウイルスの感染拡大の影響で需要が減少している。

 また、千葉工場(年産4400t)で製造するアクリル系特殊ゴム「デンカER」の関連でも、差別化製品の開発が着実に進む。近年の世界的な環境規制の高まりに伴い、自動車市場では、電動化の流れとともに、ディーゼル車に代わりターボ機能を搭載したガソリン車が注目されているが、ガソリン車ではさらなる環境負荷低減に向けてエンジンのダウンサイジング化が進

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