ポリアセタール(POM:ポリオキシメチレン)|エンジニアリングプラスチック(エンプラ)

2020年07月14日

ゴムタイムス社

【開発経緯概略】
ポリアセタールには、ホルムアルデヒドのみで主鎖が構成されているホモポリマーと少量のコモノマーを共重合したコポリマーがある。POMは1960年代前半にホモポリマーがアメリカのデュポン社、コポリマーをセラニーズ社が上市した。

【性質、加工、その特徴】
① 結晶化度が75~85%と高い結晶性プラスチックで、結晶化速度も速く、成形品は不透明である。
② Tgが-60℃のため、実用使用温度ではゴム状態である。
③ 熱劣化特性は安定剤処方により変化するが、コポリマーではUL温度指数は、機械的性質(衝撃なし)100℃、電気的性質110℃である。ホモポリマーは一般的にはこれより低い温度となる。
④ 結晶性のため、耐有機溶剤性、耐油性、耐グリース性は良好である。芳香族炭化水素、ケトン類、エステル類、塩素系溶剤に浸漬すると若干の重量増がある。
⑤ 無機酸、有機酸には侵される。また、塩化亜鉛によっても侵される。
⑥ 摩擦・摩耗特性に優れ、自己潤滑性がある。潤滑油、グリース等を使用すると摩擦特性はさらに向上する。
⑦ 紫外線で劣化しやすいが、添加剤処方で実用レベルに改善できる。
⑧ 水、アルコールの透過率は大きいが、有機溶剤、窒素の透過率は小さい。
⑨ 酸素指数が15%である。実用的には難燃性の付与はできない。
⑩ 結晶性であるため、成形収縮率は比較的大きく、厚み2~3mmで約2%である。
⑪ 耐ガスホール(ガソリン/エタノール混合物)性が良好であり、エコ燃料を使用する場合関連用途の拡大が期待される。

【新製品への応用と主な用途】

全文:約1229文字

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