ポリアミド(PA:ナイロン)|エンジニアリングプラスチック(エンプラ)

2020年07月13日

ゴムタイムス社

【開発経緯概略】
ポリアミド(PA)は別名ナイロンともいわれ、アミド結合(CONH)の繰返し単位が主鎖を構成する結晶性の線状高分子である。
PAはその原料から次の2種類に分類される。
・PAn(ナイロンn、nナイロン)
・PAnm(ナイロンnm、nmナイロン)
世界で初めて開発されたナイロン66は、1930年代にアメリカのデュポン社で、またナイロン6は、その直後にドイツのIG社で開発された。

【性質、加工、その特徴】
① 融点が他の樹脂と比較すると高く、耐熱性に優れる。
② 機械的性質が優れ、強靭で、特に耐衝撃性が優れる。
③ 表面硬度が大きく、耐摩耗性に優れる。摩擦係数も小さく、自己潤滑性がある。
④ 耐油性、耐溶剤性、耐薬品性に優れている。しかし、酸、フェノール、塩化カルシウム(一部のナイロン)などには侵される。
⑤ 耐トラッキング性、耐アーク性に優れる。
⑥ 親水性のアミド基が存在するため、吸水により多少の寸法変化があり、強度、電気絶縁性が減少するが、耐衝撃性、柔軟性は向上する。
⑦ 固有振動数が小さく、対数減衰率が大きいことから、振動を吸収する性質がある。
⑧ 自己消火性である。
⑨ 酸素や窒素、ガソリンなどの透過性が小さい。
⑩ ガラス繊維、無機フィラーなどの充填材による補強効果が大きく、強化することにより機械的性質、耐熱変形性が飛躍的に向上し、吸水率も低下する。

【新製品への応用と主な用途】

全文:約982文字

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