国分商会 ネットワーク活用し海外展開 タイヤ再利用で資源循環

2020年07月13日

ゴムタイムス社

 東日本を中心に廃タイヤのリサイクル事業を推進する国分商会(國分克尚社長、埼玉県熊谷市)。

 同社は、収集した使用済みタイヤをサーマルリサイクルとして熱利用向けに破砕加工して供給している。海外50ヵ国以上の顧客ネットワークを有し、地球規模で環境に貢献しながら、中古タイヤの原型利用の出荷先としてもアプローチを広げている。グループ会社による緑化事業として農作物の生産事業も進めている。

 同社の2019年11月期は、熱利用向けのタイヤチップの需要が減少傾向だったものの、前年度並みの売上を確保した。

本社工場

本社工場

 原型利用タイヤの供給先は、国内での再利用を優先しており、国内タイヤメーカーへの供給が中心だが、アジアやアフリカなどにも輸出している。海外では「中国製の新品タイヤより、日本製の中古タイヤの方が安心できる」という声も聞かれ、高品質であることや信頼の高い日本ブランドである点が評価され、需要を伸ばしている。

 また、国内では、タイヤを預かり保管するタイヤサポートメンテナンス事業を法人向けに実施している。これは、タイヤ販売店、自動車販売店などを対象に、組み換えに伴い使用していないタイヤを保管、管理する事業で、利用する企業にとって販売増や顧客満足度の向上につながるため、順調に定着してきた。

 一方、熱利用では、石油や石炭などの代替燃料としての需要拡大に期待を寄せるが、廃プラスチックとの間で受け入れ価格の競争が生じているほか、一部の需要先で業績不振からボイラーを休止する動きが見られ、先行きは不透明だ。さらに、従来2インチが主流だった

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