コロナ響き営業益3割減 カネカの20年3月期

2020年05月15日

ゴムタイムス社

 カネカの2020年3月期連結決算は、売上高が6015億1400万円で前年同期比3・1%減、営業利益が260億1400万円で同27・8%減、経常利益が201億6600万円で同35・5%減、当期純利益は140億300万円で同37・0%減となった。

 セグメント別に見ると、マテリアル・ソリューションズ・ユニットの売上高は2418億円で同5・5%減、営業利益は206億円で同20・6%減となった。

 塩化ビニル樹脂及び特殊塩ビ系樹脂は国内向けが前年並みの出荷量に留まるなか、アジアを中心とした海外向け需要は活発で順調に販売を伸ばしたが、新型コロナウイルスを機に輸出が停滞した。か性ソーダは、中国経済の減速を背景としたアジア市況低迷が継続し、業績に大きな影響を与えた。

 エポキシマスターバッチは、自動車用構造接着剤やエレクトロニクス向けなど最先端の市場ニーズを捉えた用途開発が進み、フル生産・フル販売が続いている。本年7月に稼働する高砂の能力倍増設備を計画通りに立ち上げ、旺盛な需要に応えていく。

 変成シリコーンポリマーは、ベルギーの能力増強設備も寄与して順調に販売が拡大した。

 カネカ生分解性ポリマーPHBHでは、高砂の5000tプラントが完成し、大手コンビニ、食品メーカー、化粧品メーカーなど世界のブランドホルダーへの採用が順調に進んでいる。2万t規模の量産プラント建設の準備を急ぎ、経営資源を重点投入しながら早期の事業拡大を目指している。

 クオリティ・オブ・ライフ・ソリューションズ・ユニットの売上高は1548億円で同1・2%減、営業利益は142億円で同6・0%減。 フォーム&レジデンシャル・テックスのスチレン系発泡樹脂および押出ボードは、高断熱・高発泡などの新製品の投入や物流の合理化を進め、収益が増加した。発泡ポリオレフィンは、新型コロナウイルス問題による世界的な自動車減産の影響で収益が低迷した。

 E&Iテクノロジーのポリイミドフィルムとグラファイトシートは、スマートフォン市場の減速の影響を強く受けた。第4四半期は、新型コロナウイルス問題による中国などのサプライチェーンの停滞やマレーシア工場の操業制限の影響を受けた。

 新型コロナウイルス感染症が拡大し、国内外の事業環境に甚大な影響を及ぼしている。同社グループの事業領域は国内外で多岐にわたり、現時点で業績予想の合理的な算定が困難であることから、2021年3月期の連結業績予想については未定としている。

関連キーワード: ·