化学事業は減収減益 ダイキン工業の20年3月期

2020年05月14日

ゴムタイムス社

 ダイキン工業の2020年3月期連結決算は、売上高が2兆5503億500万円で前期比2・8%増、営業利益が2655億1300万円で同3・9%減、経常利益が2690億2500万円で同2・9%減、当期純利益が1707億3100万円で同9・7%減となった。
 利益面では新型コロナウイルスの影響もあり減少、また、投資有価証券の売却益はあったが、減損損失を計上した影響もあり、純利益も減少した。

 化学事業は、売上高が1798億8300万円で同10・4%減、営業利益が237億7000万円で同26・9%減。

 フッ素化学製品全体の販売は、半導体・自動車分野を中心とする世界的な需要減少と欧州のガス市場の落ち込みによる影響を大きく受け、全般的に厳しい状況となった。

 フッ素樹脂は、LANケーブル関連の需要は比較的堅調に推移したものの、半導体や自動車関連の世界的な需要が落ち込んだことなどで、売上高は前年同期を下回った。フッ素ゴムは、米国、欧州、中国などで自動車関連分野の需要が落ち込んだ影響を受け、売上高は前年同期を下回った。

 フッ素化学製品全体の販売は、半導体・自動車分野を中心とする世界的な需要減少と欧州のガス市場の落ち込みによる影響、さらには第4四半期以降の新型コロナウイルス感染拡大の影響も加わり、全般的に厳しい状況となった。

 化成品のうち、表面防汚コーティング剤は、アジアなどで販売が伸びず、売上高は前期を下回った。また、撥水撥油剤についても、中国・米国の需要が伸びず、売上高は前期を下回った。これらの結果、化成品全体の売上高は前期を下回った。

 フルオロカーボンガスについては、前年度の旺盛な需要の反動を受けた欧州市場で、流通在庫の滞留などにともなう販売の落ち込みの影響が大きく、ガス全体の売上高は前期を大きく下回った。

 2021年3月期の通期予想は、売上高は2兆3300億円で前期比8・6%減、営業利益は1500億円で同43・5%減、経常利益は1500億円で同44・2%減、当期純利益は1000億円で同41・4%減を見込んでいる。

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