ゴム企業 新型肺炎対応急ぐ 中国出張禁止や休業延長も 

2020年01月30日

ゴムタイムス社

 中国湖北省の武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の拡大がゴム・樹脂関連企業に影響を及ぼし始めている。弊紙が主なゴム・樹脂企業に問い合わせたところ、中国への出張禁止や現地社員を含め家族の一時帰国を促すなど、企業は対応に追われている。

 ブリヂストンは1月29日現在、湖北省全体への出張を禁止し、湖北省以外の中国への出張も原則禁止している。湖北省の武漢市にある自動車シート用素材の工場の駐在員1名は29日午前のチャーター機で帰国した。なお、タイヤをはじめ、自動車用部品、自転車など中国にある現地工場は春節で休業しているが、休み明けの工場再開については状況を注視して決定するとしている。

 住友ゴム工業は、1月29日現在、中国全土への社員の出張を原則として取りやめている。中国に駐在する社員とその家族については、基本的に一時帰国するよう勧告している。中国の3ヵ所の製造拠点については、タイヤを製造する常熟と湖南の両拠点、OA機器用精密ゴムを製造する中山の拠点のいずれも、現地当局からの通達を受けて春節の休業を2月9日まで延長することを決めた。各拠点とも操業再開時は従業員の出社前および出社後の体温計測を推奨し、37・5度以上発熱した場合は通院を勧めることにしている。また、操業開始に備えて、現在入手困難なマスク(2万1000枚確保済)、非接触体温計(11個手配中)、消毒液(300本手配中)を本社から中山・常熟・湖南の各工場に発送する予定にしている。

 横浜ゴムは1月29日現在、武漢市を中心とする湖北省への出張を取りやる措置を講じている。中国にある拠点のうち、タイヤの工場がある杭州と蘇州、またタイヤ以外では杭州と山東省にある工場、さらに上海事業所は現地当局からの要請を受け春節による休業を2月9日まで延長した。

 TOYO TIREは、1月29日現在、中国への社員の不要不急の渡航を自粛している。タイヤを製造する張家港市と諸城市の両工場や上海市の販売会社などの同社の中国拠点は春節の休業中で、これに合わせ日本に一時帰国している駐在員が多い。操業再開の時期などは、現地当局などからの情報を鋭意収集している。

 三菱ケミカルは、1月28日の時点で、社員に湖北省への渡航を禁止する措置を講じている。また、中国全土についても、不要不急の渡航を見合わせるよう指示している。同社は、四川省の成都市、江蘇省の蘇州市と常熟市に機能性樹脂製品の製造拠点を持つ。

 三井化学は、1月27日付で、武漢市を含む湖北省への出張を禁止し、中国全土への渡航も自粛するよう社員に通知を出した。同社広報によると、武漢市に駐在する同社社員はいないという。

 クラレは、1月28日の時点で、中国全土への社員への渡航を禁止している。また、湖北省には同社の拠点はないものの、上海市など中国に駐在する社員については、本人や家族の希望があれば日本への一時帰国をサポートすることにしている。

 日本ゼオンは、ゼオングループ全体で今月初旬から武漢市への社員の出張を禁止していたが、今月下旬からは中国全土への社員の出張を禁止した。また、湖北省には同社の拠点はないが、上海や広州など中国各地に駐在する全社員を原則として帰国させる措置を取っている。さらに、日本国内でも感染が広がりを見せた場合に備え、在宅勤務の検討を進めている。

 JSRは、1月29日現在、武漢市を含む湖北省への社員の出張を禁止している。中国全土への社員の出張についても延期するよう指示している。また、湖北省には同社の拠点はないものの、上海の拠点では当局の指示に従い春節の休業を2月9日まで延長し、その他の中国の各拠点では春節の休業を2月2日まで延長することを決め、休業後も在宅勤務を推奨する方針としている。さらに、中国の駐在員で本人や家族が希望した場合は、日本への一時帰国を支援している。

 豊田合成は1月24日付で中国への出張を自粛。湖北省にある「湖北豊田合成正奥橡塑密封科技有限公司(TG正奥)」を始めとする中国各地の工場については、春節により休業中だが、春節明けの生産は各工場によって対応を検討するとしている。

 ニチリンは1月29日現在、1月28日までに中国にいる社員を帰国させた他、常熟にある自動車用ホース類の工場は2月9日まで操業を停止させる措置を取っている。

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