【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情44 ベトナムのゴム産業(前編) 加藤進一

2020年01月24日

ゴムタイムス社

 ベトナムは、ゴムの世界では天然ゴムの生産国として有名です。2018年では、天然ゴムの生産量No1の国はタイです。そのあと、インドネシア、ベトナム、中国、インド、コートジボワール、マレーシアと続きます。2012年まではマレーシアが世界第3位でしたが、マレーシアは、天然ゴム農園で働く人が不足し、海外からの出稼ぎ労働者でどうにか凌いでいます。近くにもっと働きやすい産業や工場勤務があるので、天然ゴム農園で働く人が減り、生産量が減りました。

 一方ベトナムは、国策として外貨を稼ぐ手段である米、コーヒー、天然ゴムの生産を増やしております。その結果、天然ゴムの生産量は2013年から世界第3位となりました。

 ベトナムの人たちは一般的に勤勉です。女性が良く働きます。朝早くから農園で天然ゴムラテックスの採取作業をする女性が結構多いのです。天然ゴム工場(採取したラテックスに酸を入れて固め、脱水して空気乾燥し、オーブンや燻製室で乾燥、殺菌してプレスでベール状にして梱包する作業)でも作業員の半分ぐらいは女性です。ベトナム人は全般的に目が良いので、ベトナムでゴム部品の外観目視検査をすると、日本より不良率が上がるようです。それは細かい傷まで見つけてしまうからだと言われています。

 加藤事務所は、ベトナムに天然ゴム会社の合弁会社VRGJAPAN社を経営しています。事務所はホーチミン市内にあり、天然ゴムをベトナムから日本や日系タイヤ会社へ販売する仕事を行っています。

 天然ゴムの生産は、合弁相手のベトナムラバーグループ社(VRG)傘下のベトナム40カ所の工場で行っております。ちなみに、ラオスやカンボジアにも天然ゴム工場があります。ベトナムラバーグループ社は、ベトナム証券取引所に上場している会社で

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