年頭所感 ランクセス 張谷廷河社長

2020年01月08日

ゴムタイムス社

 新年あけましておめでとうございます。

 本年1月1日をもちまして、ランクセス株式会社代表取締役社長に就任しました張谷廷河です。

 年頭にあたり謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 
 産業界を見てみると、AI技術や20年から始まる次世代通信規格5Gの様々な分野での導入、実用化が期待されています。特に自動車業界においては、CASE(Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared and Services(シェアリングやそのサービス)、Electric(電気自動車))に象徴されるサービスや製品製造が活況を呈し、それに伴う新技術の開発・導入が目まぐるしい速度で進んでいます。

 弊社の日本での事業に目を向けますと、注力事業の一つである添加剤事業の好調な事業展開により、安定的な成長を継続することが出来ました。また、電気自動車や自動運転など、環境にやさしい新しい形のくるま社会、「ニューモビリティ」を実現する様々な技術、製品、サービスについての提案により、新しいビジネス機会創出に取り組みました。さらに、「デジタル化」への取り組みを進め、基幹業務システムの統合に加え、社内システムのデジタル化により、業務プロセスの改善、情報共有による意思決定の迅速化、お客様へのサービス充実化を進めてまいりました。

 20年に目を向けますと、ランクセスグループは、これまで築いてきた強固な財務基盤により、注力事業への投資を進めるとともに、明確なポジショニングによる、安定した事業を推進していく年となります。日本においても、3つの事業領域への注力を継続し、また持続可能な発展への取り組み、そしてデジタル化を積極的に進めてまいります。

 注力分野の一つは、環境にやさしい「新しいモビリティ」への取り組みです。現在、自動車産業は、低燃費、二酸化炭素排出量削減への取り組み、安全性、設計の自由度の向上など、様々な課題解決に取り組んでいます。弊社は、それらの新しいモビリティ分野における開発パートナーとして、軽量化や電気自動車向けの新しい製品ソリューションのご提案を行ってまいります。

 また、特殊化学品の分野では、添加剤および潤滑油事業の製品ポートフォリオの拡充により、建築、自動車、機械、電子・電気機器などの幅広い製造業への採用が広がっています。ランクセスは、難燃剤への需要増加に応える、幅広い製品ソリューションを提供しています。また、様々な産業への難燃剤への用途拡大に応える、新しい材料の開発にも積極的に取り組んでいます。

 建築材料の分野では、「住み続けられるまちづくり」として持続可能な都市の発展を実現する製品をご提供してまいります。特に、ランクセスの提供する高品質な特殊黒色顔料は、従来の黒色顔料と比べて、屋根瓦の熱吸収率を抑えることができ、現在、都市圏で問題となっているヒートアイランド現象の軽減にも貢献できると期待しております。また、ポリマー系難燃剤など、建築材料である断熱材などへの応用を通して、建築分野での提案を進めてまいります。

 最後になりますが、20年は私が代表に就任して初めて迎える1年になります。これまで培ってきた財務及び営業の知識と、豊富な海外経験を活かし、日本におけるビジネスの強化を図っていくことで、ランクセス株式会社の新たな時代への礎を築いてまいります。

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