年頭所感 バンドー化学 吉井満隆社長

2020年01月01日

ゴムタイムス社

 新年あけましておめでとうございます。

 昨年を振り返ってみますと、国内では、5月の改元により「令和」の時代が始まり、9月に開幕したラグビーワールドカップにおける日本チームの活躍など明るい話題もあった一方で、台風19号やそれに続く豪雨被害など、昨年に続き、自然に対する畏怖の念を抱く一年でありました。また、海外では、米中貿易摩擦、悪化する日韓関係、ブレグジットなど、様々な政治的問題が膠着化し、保護主義の台頭が我々を取り巻く経済環境にも大きな影響を与えた一年でもありました。

 当社グループの上期の決算は、世界景気全体の減速の影響などもあり、残念ながら、減収減益となりました。今、当社グループは、自動車業界における100年に一度と言われる変革や、デジタルイノベーションと言われる産業構造の変化、ならびに、足下の米中貿易摩擦や地政学的リスクに伴う景気減退など、短期・中長期の変化への対応を両にらみしながら、BF―2の中期経営計画のもと、事業ポートフォリオの転換に奮励している最中です。また、今後は、事業活動を通したSDGs(持続可能な開発目標)への貢献も求められるようになってきます。

 こうした中、2019年5月に医療機器メーカー「株式会社Aimedic MMT」を新たにグループに加え、いよいよ医療事業体制が本格化し始めました。BF-2の指針4「個人と組織の働き方改革」への取り組みの基本は、全員参加で、従来よりも効率的かつ付加価値の高い仕事を行い、生産性を向上することです。この2年で、従業員の意識が変わってきていることを実感しつつありますが、さらにこの活動を積極的に推進し、働き方改革を全ての取り組みの基盤として、他の3つの指針の達成に繋げてまいります。

 また、そのような取り組みにおいては、SDGsのうち、当社グループが特に重要と考える目標を定めることで、事業活動を通じ、SDGsに貢献する意識も醸成してまいります。

 2020年度はBF―2の3年目の年であり、最終年度に向けて、目に見える結果を出し始めていかなければなりません。物事には期限があります。そのためにも、基本を徹底し、スピードと実行力をもって課題を前に進めていくことが必要です。「期限を守る」ことを当たり前とする社風とすべく、危機感を持って、マイルストーンで定めた“今”できることを、スピーディかつ着実にやり遂げたいと考えております。

 2020年の干支は「庚子」です。干支は植物の循環の様子を表しており、庚かのえは、植物の生長が止まって新たな形に変化しようとする状態を、子は、種子の中に新しい生命がきざし始める状態を表すと言います。干支のイメージになぞらえると、2020年の私たちは、新事業を含む機能製品などの「新たな芽」の成長に向けて結果を出していくのに適した年と言えます。方針や目標に対し、それを何としてでもやり遂げるという強い決意と執念を持って、きちんと結果を出せるよう、「実行あるのみ」です。

 本年も引き続き変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申しあげます。

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