宇部興産 高付加価値品比率を拡大 新規触媒BRの開発促進

2019年11月05日

ゴムタイムス社

 宇部興産(東京都港区、泉原雅人社長)のポリブタジエンゴム(BR)「UBEPOL・BR」は、大半がタイヤ向けとなるが、19年度上半期は新車生産台数の世界的な落ち込みに連動して需要が弱まった。同社のBR事業は近年、年率2~3%の成長を維持してきたが、今年度は横ばい程度となる見通しだ。

 地域別では、国内は需要が安定し、千葉工場(年産12万6000t)でフル稼働が続く。一方、海外は、タイ(同7万2000t)、マレーシア(同5万t)、中国(同7万2000t)の各拠点で高稼働が続き前年度並みの販売を確保しているものの、欧州とアジアで需要が鈍化した。タイでは、対米輸出を回避する中国企業などタイヤメーカーのタイへの生産移管が進んだことで、輸入材が東欧、シンガポール、中東などから集まり、過当競争が生じている。

 タイヤ以外の用途では、スポーツシューズ分野で需要が伸長し、耐摩耗性に優れる特長が評価され、採用が広がる。

 価格面では、米中摩擦や新興プラントの参入などさまざまな要因からBR市況は軟調が続くと見られ、加えて設備の維持・保全や固定費などのコストが増しているため、同社は需要家に価格是正を継続的に求めている。

合成ゴム事業部・森事業部長

合成ゴム事業部・森事業部長

 こうした中、同社では「生き残り戦略と

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