バイオ産業の大賞を受賞 カネカの生分解性ポリマー

2019年10月15日

ゴムタイムス社

 カネカは10月11日、東京工業大学の土肥義治名誉教授と協同で取り組んだ「海洋分解性を有する生分解性プラスチックの微生物合成系の研究と大量生産技術の開発」で、バイオインダストリー協会より「第3回バイオインダストリー大賞」を受賞したと発表した。

 同賞は、バイオインダストリーの発展に大きく貢献し、また今後の発展に大きく貢献すると期待される顕著な業績を表彰するものとなっている。

 同社の「カネカ生分解性ポリマーPHBH」(PHBH)は、100%植物由来のバイオポリマーで、幅広い環境下で優れた生分解性を有する。マイクロプラスチックによる海洋汚染が社会問題となっている中、同社は産学連携の下、高い海洋分解性を持つPHBHの大量生産技術を確立した。この取り組みが評価され、受賞に至った。

 PHBHは、米国食品医薬品局(FDA)、ポリオレフィン等衛生協議会、欧州委員会のポジテイブリストに掲載され、全食品接触用途で使用可能となった。欧州では、果物・野菜袋やコンポスト袋向けの販売量が増加し、国内では、コンビニエンスストアや化粧品メーカーなど大手顧客において、ストローやレジ袋、包装材など幅広い用途で採用が進んでいる。同社は今後のさらなる需要拡大に向けて、PHBHの製造設備(高砂工業所)の生産能力を年間1000tから5000tに増強する工事を進めており、12月の稼働を予定している。

 同社は、2018年にESG経営への進化に取り組むべくESG憲章を策定し、地球環境保護に取り組み、資源の保全や環境負荷の低減により、社会の持続的発展と豊かな社会の実現を目指している。

 

 

大賞受賞の表彰式の様子

大賞受賞の表彰式の様子

 

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