DICが顔料事業を買収 BASF 20年末に完了へ

2019年09月03日

ゴムタイムス社

 BASFは8月29日、DICがBASFのグローバル顔料事業を買収することで両社が合意したと発表した。購入価格は、一切の売掛金および買掛金がゼロの状態で11億5千万ユーロとなる。手続きは2020年第4四半期に完了する予定で、関係する競争当局の承認が必要となる。

 BASFの顔料事業は、全世界で約2600人の従業員を有しており、2018年の売上高は約10億ユーロとなっている。

 DICは、60ヵ国以上で事業を展開し、全世界に約2万人の従業員を有する。2018年の売上高は約8000億円(約68億ユーロ)。DICは、パッケージング&グラフィック、ファンクショナルプロダクツ、カラー&ディスプレイの3つのセグメントを展開している。顔料ポートフォリオは、カラー&ディスプレイのセグメントに含まれる。

 BASFのインダストリアル・ソリューション事業セグメントの責任者であるマーカス・カミース取締役は、「当社は顔料を戦略的事業の中核に据えるオーナーを見つけるという目標を達成した。DICは意欲的な成長計画を掲げ、今後数年でさらに事業展開を図ることを表明している。当社は、DICにおいて顔料事業が持つ可能性を十分に発揮できるものと確信している」と述べている。

 DICの猪野薫社長は、「当社は、2025年までに売上高約1兆円(約80億ユーロ)を達成することを目標に、明確な成長路線を描いてきた。BASFの顔料ポートフォリオは、この目標をより早く達成するのに重要な新たな戦略的要素となる。世界有数の顔料サプライヤーとしての地位をさらに高め、お客様により多様なソリューションを提供していく」と述べている。

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