JALの採用機が初飛来 帝人の炭素繊維複合材料

2019年06月25日

ゴムタイムス社

 帝人は6月20日、同社が開発した、炭素繊維強化熱可塑性樹脂積層板「テナックスTPCL」を使用したエアバス社の最新鋭中型機「A350XWB」が、6月11日に日本航空(JAL)に納入され、14日に羽田空港に初飛来したと発表した。

 同社は、今回JALに納入されたA350XWBをはじめ、エアバス社製の航空機材に向けて30年以上にわたり炭素繊維「テナックス」を供給しているトップサプライヤーとなっている。A350XWB向けには、テナックスTPCLが熱可塑性炭素繊維複合材料(CFRTP)として世界で初めて、エアバス社製の航空機の一次構造材に2014年5月に採用された。テナックスTPCLは、耐衝撃性や耐摩耗性に優れるPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を使用したCFRTPで、同社の欧州拠点であるドイツのテイジン・カーボン・ヨーロッパで製造されている。

 同社は、未来の最新鋭航空機に向けたソリューションとして、炭素繊維原糸から織物基材、熱可塑性および熱硬化性樹脂を使用した中間材料などの用途開発やラインナップ拡充、およびこれらを活用した市場展開を強力に推進している。今後も、マーケットリーダーとして、川上から川下までのソリューション提案力を一層強化するとともに、環境規制の強化に伴う低燃費化の要請に応える「軽くて、強い」高機能素材の拡大展開を図るとしている。

 

JALのA350XWB機

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