年頭所感2017 日本自動車タイヤ協会 池田育嗣会長

2017年01月01日

ゴムタイムス社

 2017年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年を振り返れば、世界で政治・経済の両面から非常に大きな変化の端緒が見られた年であったといえるのではないでしょうか。イギリスの国民投票においては、EUからの離脱への賛成票が反対票を上回りました。アメリカの大統領選挙においては、従来の政治とは一線を画す主張をしてきたトランプ候補が選ばれ、この1月に大統領に就任します。こうした動きは政治の有り様だけではなく、現実の経済にも多大な影響を与えることが予想されます。

 タイヤはグローバルな商品であり、これを製造、販売するタイヤ産業もまたグローバルな産業です。また、タイヤに対する期待は大きく、世界のタイヤ市場は今後も確実に伸張していくことが予想されます。今後の世界の政治・経済を巡る変化がどのようなものであっても、人の安全にかかわるタイヤという価値ある商品の提供をとおして世界経済の発展に貢献するという我々の姿勢に変化はありません。こうした姿勢に基づく活動を着実に実践して参ります。

 国内に目を向ければ、我が国における2016年の自動車タイヤ生産量は新ゴム消費量ベースで102万トン程度と見込まれ、2015年比で96%の水準となりました。国内市場の成熟化と生産体制のグローバル化の結果であり、こうした状況は今後とも大きく変わることはないと考えられます。しかしながらタイヤの生産や提供が日本の経済や社会に与える影響は大きく、我々はその影響の大きさに見合う責任を果たして行くことが必要だと考えています。

 公益法人たる我々がこうした観点から取り組むべき活動の基軸は、従来と変わることなく「安全」と「環境」です。安全対策につきましては、4月8日の「タイヤの日」を中心としたタイヤ点検の実施を通じ、空気圧管理の重要性や適正使用・整備の必要性に関する啓発を続けていきます。また冬道での安全走行確保に向け、冬用タイヤの装着の啓発に関しても継続して取り組んで参ります。

 環境対策につきましては、製販一体での廃タイヤ適正処理をこれまでと同様に推進するとともに、原状回復支援制度による地方自治体への支援を通じて廃タイヤ不法投棄問題の解決に貢献していきます。また、ラベリング制度の運用により低燃費タイヤの普及を図ることで、自動車走行時のCO2排出量の削減に貢献していく所存です。

 大きな変化のうねりの中、グローバルな事業活動を展開するタイヤ産業にとって、取り組むべき課題は山積しています。変化に臆することなく着実に歩みを進めて行く所存です。関係する皆様方の変わらぬご指導ご鞭撻を、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 最後になりましたが、タイヤ産業に携わる皆様方にとって本年が良い年となりますことを祈念し、私の新年のご挨拶とさせていただきます。

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