昭和HDの18年度3月期 増収も営業益は6割減 ゴム事業は減収減益

2018年05月16日

ゴムタイムス社

 昭和ホールディングスの2018年3月期連結決算は、売上高が132億4230万円で前期比3・8%増、営業利益は15億9999万円で同55・0%減、経常損失は40億1329万円(前期は経常利益33億9738万円)、当期純損失は34億2756万円(前期は純利益3億7635万円)となった。

 分野別では、ゴム事業は、売上高が15億1111万円で同3・2%減、セグメント損失は1億7592万円(前期は9935万円の損失)で、減収減益となった。

 国内のゴムライニング防食施工では、これまでの技術力の蓄積や他社との差別化が奏功し順調に実績を伸ばしたものの、機械設備向けのゴム部品の供給に関しては、顧客の受注状況等の影響を受け前年実績を下回る生産となり、事業効率の改善努力も及ばず厳しい状況となった。

 デジタルファイナンス事業は、売上高が95億4607万円で同5・1%増、セグメント利益は24億9658万円で同37・7%減となり、増収減益となった。

 タイ、ミャンマー、ラオス、インドネシアなどでリース等の売上高が順調に拡大したものの、SMEローンの利息計上時期を保守的に回収ベースへと変更したことによる減収効果があったほか、投資的費用を戦略的に投下したことにより、営業利益を伸ばせなかった。

 スポーツ事業は、売上高が15億6128万円で同3・7%増、セグメント利益は7770万円で同59・7%減となり、増収減益となった。

 ソフトテニス関連は、学生数が減少する厳しい環境下で、他社との競合も激しさを増す中、製品への信頼性や人との繋がりを活かした販促活動を展開して適正利益の確保を図るとともに、大会イベントなどを活用してルーセントブランド製品の拡販を行ったものの、通販によるスポーツウェアの販売シェアの拡大や天候不良の影響を受け、対面営業中心の販売実績は低調に推移した。また、競争力強化のため来期以降の商品施策の一新を決定したことから、評価損が発生した。

 ルーセントテニスクラブ関連では、再生事業としてLTC熊本が、新設としてLTC柏が加わり、全店舗の総会員数が600名増加して増収に大きく貢献した。

 工事部門は前期並みの実績を残すことが出来た。

 コンテンツ事業は、売上高は4億5461万円で同7・3%減、セグメント損失は5592万円(前期は4793万円の利益)となり、減収減益となった。

 国内事業の強化やアジア事業の開始など中長期的な成長に向けての投資的活動を強化した影響が出た。同事業ではトレーディングカードゲーム制作やエンターテインメント関連の書籍と電子書籍の制作、音楽と関連商品の製作を行うが、国内で受注が伸び悩み厳しい経営成績となった。

 19年3月期通期の連結業績予想については、同社グループが直近に行ったM&Aなどの影響に関して検討が必要な状況で、現時点では適切な予想をすることが困難なことから、公表を差し控えている。

 

 

 

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