ランクセスが事業説明会開催 17年度過去最高の収益を報告

2018年04月20日

ゴムタイムス社

 ランクセスは4月17日、都内で事業活動の説明会を開催し、辻英男社長が2017年度の業績と2018年度事業の説明を行った。

 辻社長は、17年度の業績について、売上高96億6000万ユーロ、前年比26%増、EBITDA12億9000万ユーロ、同30%増となったことを説明し、「2004年の設立以来過去最高の収益を達成した」と成果を強調した。

 国内事業についても「04年の設立以来最高の増収増益になった」と説明した。

 増益の要因としては「全部門の販売量が大幅に増加したことと、前年度に買収したケムチュラ社の事業が大きく貢献した」ことを挙げた。

 特に、ケムチュラ社の添加剤事業を統合した添加剤部門の収益増が顕著で、前年度比91%増の増益となった。合成ゴム事業のアランセオ部門についても、厳しい競争環境や原料価格の大幅な変動の影響を受けながらも、同19%増の増益となった。
 
 このアランセオ部門については、18年第2四半期より非継続事業として会計報告することを報告した。

 17年に統合が完了したケムチュラ事業のシナジー効果については「難燃剤や潤滑油事業の製品ポートフォリオの拡充により、買収によるシナジー効果は既に3000万ユーロに達しており、2020年までには年間1億ユーロの効果を目標とする」と述べ、順調に統合の成果が現れていることを説明した。

 18年度の活動計画については「販売量の増加とコスト削減が収益を押し上げ、業績は前年より微増する」と予測し、アランセオ部門を除く4部門からなる「新ランクセス」の2018年の業績は、第1四半期から好調な滑り出しを見せていると述べた。

 さらに辻社長は、18年度の日本での活動計画として、軽量化ソリューションの提供、建築材料分野、難燃剤分野の3つに注力していく方針を示した。

 今後の投資計画については、製造拠点を強化するとし、独レバクーゼン及びクレフェルト・ユルディンゲンで2020年までに1億ユーロ、独クレフェルドで2018年秋までに約1000万ユーロ、中国・常州で2019年までに2000万ユーロを投資して補強を行う計画を表明した。

 

 このほか、CSR活動では、前年までに続き、小澤国際室内楽アカデミー奥志賀への支援を実施したほか、東北復興のため岩手県で小学生向けの化学実験教室を開催したと報告した。

 この日の会場では、同社の製品が使われたオールプラスチック製のブレーキペダルや、機能性色材、合成ゴム添加剤などを紹介した。

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