自動車用ゴム5社の17年3月期事業別業績 増販効果で全社が増益に

2017年06月01日

ゴムタイムス社

 自動車用ゴム部品メーカー5社の2017年3月期のセグメント別売上高は、国内の自動車生産が回復基調にあり、海外は引き続き好調な北米に加え、中国の小型車減税の効果、欧州・アジアでの需要回復があったものの、主に為替の影響により、豊田合成・住友理工・フコクが減収となった。

 セグメント利益については、海外での増販効果や海外子会社の収益改善あるいは利益増などにより、全社が増益となっている。

 ◆豊田合成
 豊田合成の自動車部品事業の売上高は、主に為替の影響により前期比1・3%減の7370億円となった。

 セグメント利益は、増販効果や欧州での立ち上げ費用の減少に加え、グローバルで合理化に取り組んだことにより、同7・5%増の462億円となっている。

 ◆NOK
 NOKの自動車用を含むシール事業の売上高は、同4・9%増の3106億円。熊本地震の影響による自動車生産の一時操業停止などがあったが、新車投入効果などにより、需要は回復。海外では、北米での需要が引き続き好調に推移し、中国では小型車減税の影響により需要が増加しました。

 セグメント利益は、増収により同14・1%増の371億円となった。

 ◆住友理工
 住友理工の自動車用品の売上高は、同1・8%減の3624億円。国内市場は、自動車メーカーの新型車種の立ち上げや輸出増加に伴う生産台数増加により、生産・販売とも回復傾向にあった。

 海外市場は、小型車減税により需要が増加した中国をはじめ、需要が継続している北米や景気が回復傾向にある欧州お・アジア地域などで販売が堅調に推移した。この結果、外部顧客への売上高は、海外で販売は増加したものの、為替換算の影響を受けたことにより、減収となった。

 セグメント利益は、前期に実施した事業構造改善の影響のほか、海外での売り上げの増加が収益に寄与したこともあり、同7・3%増の125億円となっている。

 ◆西川ゴム工業
 西川ゴム工業の自動車用部品の売上高は、同3・2%増の882億円。国内外ともに自動車生産台数が対前年比で増加した結果、増収となった。

 セグメント利益は、、国内では能率・歩留りなどの生産性指標が堅調に推移したことに加え、メキシコとインドネシア子会社の収益が改善したことが寄与し、同44・4%増の90億円だった。

 ◆フコク
 フコクの防振事業の売上高は同8・4%減の257億円。国内の売上の減少と為替換算の影響を受け減収となった。

 セグメント利益は韓国と中国の子会社の利益増などにより、同18・4%増の30億円となっている。

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