【企業特集】ナガセケンコー 社内体制の改善で働きやすい職場に

2014年07月19日

ゴムタイムス社

ナガセケンコー

ナガセケンコー 社内体制の改善で働きやすい職場に

 ナガセケンコー株式会社(東京都墨田区・長瀬泰彦代表取締役社長)は、1934年(昭和9年)に長瀬護謨製作所として創業以来、軟式野球、ソフトテニス、ソフトボール等の競技用ボールを中心にスポーツ用品の製造販売を行ってきた。また軟式野球、ソフトテニスの国際化、競技の普及にも尽力している。

 足元の需要動向については、4~5月は消費税の駆け込み需要の反動減による影響を受けたが、6月に入って需要は戻りつつあるという。今期(14年9月期)通期では、売上は目標額を達成できる見込みだ。

 長瀬泰彦社長は昨年10月の社長就任以来、社内体制の改革を進めてきた。販売チャンネルの集約を進め、収益性の高い構造へのシフトを図る他、海外展開では中南米地域に絞って販売を強化し、現在売上の5〜6%である海外比率を引き上げていく。また社員個人の能力が出て働きやすく、やる気が出るような環境づくりを目指している。

 こうした社内改革はまだ途上ではあるものの、長瀬社長は「これまで以上に風通しの良い職場環境になってきた」と語る。来期以降は、海外でのブランド力向上を目指し、組織改革を含めたさらなる改革を推進していく。

初代から現在までのナガセケンコーボール

初代から現在までのナガセケンコーボール

 同社が注力する新商品には、より硬式野球用に近づけた軟式ボール「ケンコーワールド」がある。「ケンコーワールドLB―A」は硬式ボールと同じ大きさ・重量を持ち、軟式から硬式に移行しやすい中学生向けボール。シリーズには、硬式と軟式の利点を併せ持った商品を揃えている。

 同社はこれまで軟式野球ボールを主力としてきたが、このほど硬式用ボールの取扱いも開始した。その他、同社には子供が安全にベースボール型ゲームを楽しめる「ティーボール」があるため、野球ボールについては、未就学児からプロまでカバーできる品揃えが完成したことになる。

現況を語る長瀬社長

現況を語る長瀬社長

 「野球を始めた人に、ずっとケンコーの商品を使ってもらえるよう、ラインナップをつなげていきたい」(長瀬泰彦社長)

 同社の大きな課題は、人口の減少によりスポーツ市場が縮小傾向にあること。同社としては、国内における「ケンコーブランド」の知名度を生かし、ボール以外で扱える商品をさらに増やしていく方針。コートマットを始めとするスポーツマット類は今後も需要が見込めるため、販売を拡大していく。

 「野球、ソフトボール、ソフトテニスにこだわり、練習用、トレーニング用、試合用すべての商品を揃えたい。その上で、新しいブランドをどう構築するかが課題だ」(長瀬社長)としている。

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