ワールド化成  超高分子量ポリエチレンを営業拡販

2012年07月24日

ゴムタイムス社

ワールド化成㈱(吉村泰郎社長)は総合商社として、天然ゴム、合成ゴムなどの多品目から各種材料の供給をはじめ、製品に求める物性に合わせた適切な「材料練り工程」「成形加工」までのソリューション提案を推し進めている。

 同社の営業品目のひとつである合成樹脂を持続可能社会を支える高機能樹脂と捉え、超高分子量ポリエチレン「SAXINニューライト」を取扱い、フィムル素材を中心に切削加工メーカー等に国内販売を展開している。

 超高分子量ポリエチレンとは通常2~30万の分子量を100~700万まで高めたポリエチレンで熱可塑性樹脂に分類され、エンジニアリングプラスチックのひとつ。

 そこで同社が販売するニューライトは超高分子量ポリエチレンを原料とした工業用樹脂。食品、搬送業界の動部材として、また粉粒体を取り扱う箇所の壁面材料として、必要不可欠な材料になっている。

 同製品の特長として、ナイロン樹脂の5倍、フッ素樹脂の6倍の耐摩耗性があり、フッ素樹脂並みの低摩擦性(自己潤滑性)も有している。またポリカーボネートを上回る非常に高い耐衝撃性を持っており、マイナス200付近でも高い衝撃強度を持続できる低温特性を持つ。

 これらの特長を活かして、搬送ラインのガイドレール、農機具部品、ホッパー・サイロのライニング材、スノーモービルのスプロケットやホイール、スキー・スノーボードの滑走面などに使用される。またフィルムとして、OA機器や携帯電話等の摺動部に利用されている。さらに耐薬品性があり、食品安全衛生樹脂であるため食品加工ラインのコンベア関連素材としても優れた特性を発揮している。

 今後の展開として、同社は同製品を医療分野で応用できるものとして、合成樹脂製品製造、販売する高久産業㈱と共同で同製品とゴムの複合材シートで薬品の栓にも活用できるように開発中であり、また各種材料と同製品の複合品の活用展開目指していく。ゴムと同製品の複合品は摺動性・耐摩耗性の他に消音効果やクッション性を有し、且つ他材への接着も可能である。

また常温下で使用されているフッ素樹脂の代替素材として同製品を拡充してき、またフッ樹脂と比較してコストダウンにも寄与していることから拡販展開していきたいという。

 今後も同社はフィルム素材を中心にユーザーに同製品の活用を幅広い業界へと提案しいていく。