新春TOPインタビュー 日本ゼオン

2013年01月08日

ゴムタイムス社

内外で新設プラントが一斉稼働 

「エラストマー素材」と「高機能材料」 両輪でグローバルに事業拡大

 「エラストマー素材事業と高機能材料事業のそれぞれの強みを磨き上げ、両輪でグローバルに事業を拡大を進めている日本ゼオン。古河直純社長に中期経営計画の進捗状況を聞いた。

 ―12年を振り返って。 
 古河社長 国内経済が東日本大震災の復興需要等を背景に緩やかに持ち直す一方、欧州債務危機や円高基調の継続、新興国の景気減速等に起因する世界経済の先行き不透明感はなお拭えず、海外市況の悪化など、取り巻く経営環境は大変厳しいものとなった。 
 エラストマー素材事業では国内自動車生産が上期堅調に推移したものの、エコカー減税の終了、タイヤ販売が落ち込んだほか、10月の当社徳山工場の定期修理もあり、在庫が増え、徐々に厳しさが増してきた。海外需要は米国はじめ、タイのコンパウンド事業はまずまずであったが、欧州市場での落ち込みが激しく、世界経済減速の影響や海外市況の低下などの影響が大きかった。
 当社グループはこのような環境のもとで、引き続き「ZΣ運動」による徹底したコスト削減に努めるとともに、エラストマー素材事業では原料価格の変動に応じた販売価格の改定、高機能材料事業では付加価値の高い新製品の開発と事業拡大に取り組んできた。

 ―中期経営計画「SZー20(エスゼット20)」の進捗状況は。
 古河社長 当社は「『2020年のありたい姿』―化学の力で未来を今日にするZEON―」の実現のため、全社事業戦略として「エラストマー素材事業と高機能材料事業のそれぞれの強みを磨き上げ、両輪でグローバルに事業を拡大する」こと、ならびに「2020年のありたい姿を実現する企業風土を『見える化』をベースに育成する」ことの2点を基本方針として、初年度に引き続き諸課題に取り組んできた。2020年度連結売上高5000億円、2020年度海外生産高比率50%を目標に掲げている。

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