企業特集 右川ゴム製作所 深化と挑戦を掲げ新市場開拓を加速 

2026年04月28日

ゴムタイムス社

企業特集

深化と挑戦を掲げ新市場開拓を加速  

右川ゴム製作所  右川誠治代表取締役社長

 2027年に創業130周年を迎える右川ゴム製造所は、高復元性ゴムスポンジ「スーパーセットフォーム」をはじめとする独自製品の販売に加え、材料選定から製造まで一貫した体制でゴム製品の開発を行っている。右川誠治社長に、2025年の業績動向や今後の課題について聞いた。

◆前期(2026年2月期)を振り返ると

 前期は景気全体の停滞感が強いなか、自動車、土木、鉄道、住宅設備といった主要分野が堅調に推移し、とりわけ土木・住宅設備関連が伸長したことが業績を押し上げた。営業活動で蒔いてきた種が実を結び始めたことが大きく、2期連続の増収増益を見込んでいる。

◆現状の課題について

 八潮工場の老朽化対策が挙げられる。築50年以上が経過し老朽化が進む一方、2020年に稼働した福島工場は今年で6年目を迎え、生産体制が安定してきた。八潮工場は2030年までは維持補強で対応するが、将来的には生産の主力を福島へ移す可能性がある。現在、八潮工場の3号ラインを福島工場へ移管しており、福島工場を今後の主力拠点として存在感をさらに高めていきたい考えだ。

◆人材育成について

 今期は大型案件の立ち上がりが控えており、今後の事業拡大を見据えても中堅社員の育成が課題となっている。同社は立ち上がり品目が多く、受注までのプロセスを担える人材が不足している。そのため、中堅社員がしっかりとお客様と向き合い、最終的な受注につなげられるよう育成を進めていく。

◆人材雇用への取り組み

 採用力強化の一環として、福島工場ではラインカラーをピンクに統一し、帽子も赤色に変更するなど、明るい工場づくりを推進している。従来の3K職場のイメージ払拭を図る取り組みとして、女性活躍推進活動にも積極的に取り組んでいる。

◆今期(2027年2月期)の事業戦略について

 モノづくりのメーカーとして製品開発に常に力を入れている。今期も「深化と挑戦」を掲げ、「深化」では機能素材の深掘りを行い、「挑戦」として新分野への展開を両輪で進める。従来のゴム技術を基盤に、専門性・技術力・対応力を生かした機能材料の追求を強化する。一方、挑戦では生活雑貨、スポーツ用品、ロボット分野など新たな市場への展開を進める。2024年に岡安ゴム様と共同出資したシナジーワークスは土木向け製品の開発にも注力しており、成長が期待される領域である。

◆2030年中期経営計画の方向性

 中期経営計画では、売上10億円を50人体制で達成することを目標に掲げ、賃金を毎年3%引き上げながら損益分岐点比率を80%に近づける計画を進めている。従業員の将来不安を軽減するため、今年から企業型DC(確定拠出年金)を導入する。働く環境をより良くするうえで、老後の安心を提供することも「良い会社」の条件であると考えている。

◆今期の見通し

 今期に限らず、土木、住宅設備、自動車分野は今後も伸びていくと見ており、成長分野への継続的な種まきが重要だと考えている。現在、副資材の値上がりが続く一方、原材料の値上げを明確に打ち出すメーカーも増えてきており、価格改定への対応を進めていく。特定産業に依存しない事業構造が重要であり、バブル崩壊やリーマン・ショックの経験から、分散型ポートフォリオが企業の強さにつながると捉えている。

右川誠治社長

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