100周年に向けて確かな成長
岡安ゴムが創立90周年記念祝賀会 約200名が盛大に祝う
岡安ゴムは3月28日、京都市のホテルグランヴィア京都で創立90周年記念祝賀会を盛大に開催した。会場には取引先等の関係会社をはじめ、同社社員ら合わせて約200名が出席し、90年の節目を祝った。
式典冒頭、挨拶に立った岡宗一郎社長は「90周年記念パーティーにお越し頂き誠にありがとうございます。心より御礼を申し上げる」と感謝を述べ、創業からの歴史を「1936年に商社として創業を開始し、その後メーカーに転身し、社会の基盤を支える自動車、家電などの業界に対して機能性ゴム部品を提供してきた。私の祖父にあたる2代目の商社マン型社長が高度成長期の波に乗り事業を拡大した。先代の岡会長がエンジニア型の社長として自動化に取り組みメーカー化し、社員の成長に合わせ事業も拡大フェーズに移行してきた。現在では売上規模が約33億円となり、従業員規模も250名になった」とこれまでの歴史と成果を振り返った。
同社では「モノづくりにブレイクスルーを」という理念のもと、工場の自動化、ITとDX化、タイアップ戦略の強化、社内ベンチャーへのトライの4つのプロジェクトに取り組んでいる。
岡社長は「当社はベンチャー企業のようにスピードと熱量を持ち、新しいことに挑戦しながら確かな成長基盤を備えた企業になるべく進化をしている。こういった取り組みを通じて変化を前提とした企業文化をより強固なものにし、次の100周年に向けて確かな成長をするために、全社一丸となって取り組んでいきたい」と意気込みを語り、挨拶を締めくくった。
続いて、来賓を代表して、西部工業用ゴム製品卸商業組合の小島孝彦理事長が祝辞を述べた。
小島理事長は創業者の代から深いつながりが岡家と小島家にあることを振り返った後に「これまで培ってきた信頼という財産を元にさらに100年、150年と羽ばたく企業になって頂きたい」と祝辞を述べた。
乾杯の挨拶を行った岡浩史代表取締役会長は「私自身も苦しい時、危ない時はだいぶありましたが、このように90周年を迎えることができ、嬉しく思っている。今後は100周年に向けてもっと発展していけるように、皆様のお力を頂き、盛大に100周年を迎えたい」と話し、乾杯の発声をした。
歓談の最中には、動画の編集からナレーションまでAIを駆使して、同社社員の手によって作成された「岡安ゴムの90年の挑戦」を振り返った映像をスクリーンで紹介した。
続いて、パフォーマンス集団「The Party Orchestra」による歌とダンスのステージが繰り広げられた。オペラ歌手、オーケストラ奏者、ダンサーらが変幻自在にステージに登壇し、「情熱大陸」などのナンバーを披露し、式に華を添えた。
同パフォーマンス集団が岡安ゴムの工場見学をした上で作り上げたオリジナル楽曲「タフロングのテーマ」も披露し、会場からは大きな歓声と拍手が巻き起こった。
また、誕生日を迎える岡会長に対し、バースデーサプライズも行われた。壇上にバースデーケーキが運び込まれ、サプライズで岡会長の誕生日を祝福した。祝福された岡会長は「まだ68才ですので、後10年は頑張りたいと思います。78才の時に100周年の祝賀会が出来たら良いなと思っております」と笑顔を見せた。
歓談の終盤には、オカヤスラバーアメリカ支社長として、アメリカ工場の立ち上げを推進している岡敬二郎副社長からビデオメッセージが寄せられた。ビデオメッセージの中で、岡副社長は出席者への感謝の意を示した後に、オカヤスラバーアメリカ立ち上げの経緯について、撮影した映像を用いながら説明を行った。
中締めの挨拶を行った岡安ゴムの桶谷道長COOは4月から赴任するアメリカ工場について「アメリカは以前に代表を務めていたマレーシア以上に経済面、政治面で変化が激しい国ではあるが、体制さえ整えば需要も旺盛であることも分かっており、事業が成り立つと考えている。今までの経験を活かし、アメリカ工場を成功させたいと願っている」と話し、三本締めで挨拶を締めくくった。
約2時間に及ぶ祝賀会は盛り沢山の内容で盛況のうちに閉幕した。
【創業90周年インタビュー】岡安ゴム 岡宗一郎社長
ブレイクスルーを実現する企業へ
創業90周年を迎える岡安ゴムは、ゴムの配合設計から押出成形、射出成形、加工までを一貫して行い、高品質な製品を提供している。同社の4代目社長の岡宗一郎氏に90周年を迎えた感想や強みなどを聞いた。
◆創業90周年を迎えた感想を。
創業以来90年もの長きに渡り存続できたことは諸先輩方、得意先や仕入先のおかげだ。私が四代目社長として就任してから社内の仕組みを大きく変革した。その中で従業員がスピード感を持ってついてきてくれた事にも感謝している。
◆岡安ゴムの強みを挙げると。
弊社では、自動接着機の自社開発によるエンドレス接着品の量産体制の確立などのブレイクスルーの事例集を会社カタログの3ページ目から掲載している。つまり、従来とは違う作り方を考え、提案する力そのものが私たちの商品だと考えている。「モノづくりにブレイクスルーを」提供する価値と定義し、お客様の要望に柔軟に対応できることが強みである。
また、社員一人一人が各プロジェクトのリーダーとなり、私の決裁がなくとも事業を推進していく体制を構築している。 その結果として、アクションの総和が増加し、売上の増加にも繋がっている。
◆現在注力している取り組みは。
4つの中長期プロジェクトを推進している。一つ目はチャーリーとチョコレート工場化計画と名付けている工場の自動化である。妖精さん(ロボット)と少数の人間だけで効率的な生産体制を構築し、労働人口の減少に対応していく。
2つ目はIT化とDXでの効率化を推進している。業者任せの変化に対応が難しい市販のシステムではなく、自社でシステムを作り連携させることで、低コストで随時変更可能な仕組みで効率化を進めている。今後は、自作したシステムをアナログな業界に向けて伴奏ありきの支援として横展開も目指していく。
3つ目はタイアップ戦略だ。技術トレンドが高速変化する社会では自社のみでの開発では後手に回ってしまうので、持ってるものを出し合ってタイアップで開発を進める必要がある。既に、右川ゴム製造所と共同出資した「シナジーワークス」を立ち上げ、共同開発製品を販売している。この販売活動を通じて昨年に大型のOEM案件を受注し、滋賀県内に新しく工場を構えることも決定した。
タイアップによりリターンは半分になるが、このように他の部分でマネタイズできることを示すことができた。
4つ目は社内ベンチャーの推進だ。10回の挑戦で1回でも芽が出ればよいと考えて、社内に挑戦する環境を整えている。
◆海外拠点の動向は。
オカヤスラバーマレーシアでは、マレーシア国内だけではなく、アセアンへの輸出拠点としての機能を強化しており、今年タイに営業所を構える予定だ。
オカヤスラバーアメリカでは従来は営業所兼倉庫という位置づけだったが、アメリカ現地での生産を今年から開始する。
生産工場の立ち上げは岡敬二郎副社長と4月からアメリカに生産設備立ち上げのために赴任する桶谷道長COOの2名で行うが、生産面の立ち上げには技術面での知見が必要になる。アメリカの生産立ち上げにおいては、技術面を中心に会長にサポートをお願いしている。
◆100周年に向けた抱負を。
シナジーワークスの第二拠点設立、マレーシアのタイ営業所の設立、アメリカでの生産開始とこれから何年もかけて推進するプロジェクトのファーストステップがこの90周年に揃った。
100周年までの最初の3年で各プロジェクトを形付けし、次の3年で内部を磨き、再加速のための土台を作り上げ、最後の3年で100周年に向けて売り上げ規模で100億円を目指して総仕上げとしていきたいと考えている。事業の変化に合わせ人材も揃ってきているので、しっかりとマネージメントしていきたい。
岡宗一郎社長プロフィール
1984年7月28日生まれ。2007年3月早稲田大学理工学部物理学科卒業、同年4月ブリヂストン入社、2012年2月岡安ゴム入社、2014年1月オカヤスマレーシア社長、2023年10月岡安ゴム代表取締役社長。趣味は歴史に関する読書。
岡安ゴム90年の歩み
岡安ゴム株式会社 ◆所在地:滋賀県草津市山寺町271-1(本社)◆創業:1936年 ◆役員:代表取締役会長 岡 浩史、代表取締役社長岡 宗一郎 ◆社員数:217人(2026年4月現在 マレーシア・アメリカ連結)◆資本金:3,000万円 ◆売上高:23億5千万円 ◆国内営業所:滋賀・大阪・埼玉・愛知 ◆国外営業所:MALAYSIA・USA











