活躍するリケジョ008 ADEKA 飯守結子さん 田窪悦子さん 島田未来さん

2022年06月09日

ゴムタイムス社

活躍するリケジョ008 ㈱ADEKA 樹脂添加剤本部

改質剤研究室 飯守結子さん
改質剤開発室 田窪悦子さん
販売一部安定剤グループ 島田未来さん


お客様の要望に応えられる開発目指す
製品を通じ安全な社会づくりに貢献していく

市場のニーズに応えた製品開発

 ◆現在、どのような開発をしていますか。

 島田 樹脂添加剤営業部で塩ビやゴム向けの安定剤・可塑剤の販売に従事しています。入社2年目ですが、主担当として国内のお客様に向けて、既存製品の販売サポート、新規製品の提案に取り組んでいます。また最近は環境に配慮したバイオマス原料の可塑剤「アデカシクロエイド PNBシリーズ」の拡販にも注力しています。

 飯守 私は樹脂添加剤研究所の改質剤研究室に所属しています。永久帯電防止剤「アデカスタブ ASシリーズ」を始めとする既存改質剤の改良や、当社として新しい分野を切り開く新規改質剤の研究を行っています。お客様のご要望や展示会・学会などから得られた市場ニーズ・最新の技術動向をもとに新製品の開発に取り組んでいます。

 田窪 私は樹脂添加剤研究所の改質剤開発室で難燃剤「アデカスタブ FPシリーズ」の開発をしています。お客様の加工条件や使用環境に合わせた開発、お客様のニーズに応えるために成形条件指標の提案、現行製品では使用環境によってはお客様の要求を満たせないケースもあり、新たな製品の開発なども行っています。

多岐に渡る業界に貢献

 ◆仕事のやりがいを教えて下さい。

 島田 入社前は安定剤や可塑剤が実際に身の回りでどのように使用されるのかイメージが湧きませんでした。入社後、住宅関係を始め、自動車、食品など多岐に渡る業界で使用されていることがわかり、直接目には見えなくても多くの業界に貢献ができていることがやりがいに繋がっています。

 飯守 市場のニーズやお客様のご要望に応えられる製品を提案して、製品が立ち上がり、採用される所を見届けられることにやりがいを感じます。社内の風通しも良く、月に数回程実施される報告会などでも、上司や同僚相互に何でも相談できる環境にあります。今後も引き続き新規開発を目指していきたいです。

 田窪 担当製品を通じ安全な社会づくりに貢献できることはやりがいでもあると同時に、当社の使命にも感じます。火災事故の死亡原因の多くは煙や一酸化炭素などの有毒ガスによるものだと聞いています。当社の難燃剤はハロゲンを含まず、有毒ガスが出にくいのが特徴で、人的被害を減らすことを第一に考えた製品です。火災のニュースに触れる度に、当社の製品が使われることで、一人でも犠牲者を減らすことができるのではないかと使命感を持っています。

 ◆仕事のやり方などで心がけていることは。

 島田 お客様からのメールや電話には、すぐにレスポンスするように心がけています。また、わからない言葉や自分が認識している言葉でも、お客様の意図とは違うこともあるため、お客様が真に求めていることを理解するよう努めています。
また将来的には、海外担当になることを目指しており、そのために会社の制度を活用し、英会話の習得にも励んでいます。

 飯守 新製品の開発には多くのアイデアが必要になりますので、色々な方に積極的にアドバイスを求めるようにしています。アドバイスを行動に移す前に、目的と手段を明確にすることは意識しており、優先順位をつけながら、検討しています。

 田窪 上長などにいち早く報告や相談することが必要だと考えています。新製品を開発するにあたり、スピード性を意識しています。実験の進め方や優先事項に悩んだ際には上長などに相談し、試験結果が出た際にはいち早く報告することを心掛けています。その一方、過去の知見を活かし、慎重に作業を進めることも重要だと考えており、そのバランスを見極めることに苦心しています。
また、幅広い視野を持ち、多くの知見を得て、自ら提案できる人材を目指していますので、展示会や勉強会に参加し、常にアンテナを張り、生の情報に触れるようにしています。

モノづくりを支える化学に興味抱く

 ◆理系の道に進んだ理由と現在の仕事を選んだ理由について教えてください。

 島田 小学生の頃、製品の後ろなどに表示されている成分表示表を眺めることが好きで、化学に興味を持ちました。大学では有機化学や物理化学を中心に、化学全般を万遍なく勉強しました。
就職活動をする中で、身の回りのモノづくりを支える化学メーカーに興味を持ちました。その中でも樹脂に機能を付与したり創出できる製品に魅力を感じ、当社を志望しました。理系で営業職を選択したのは珍しいと思いますが、理系出身ならではの提案ができるのではと思い、営業職を希望しました。

 飯守 私も小学校の頃から化学クラブに入るなど化学が好きで理系の道に進みました。大学時代は有機化学を専攻し、有機合成を3年間研究しました。卒論のテーマは触媒的不斉合成です。
元々モノづくりに興味があり、化学メーカーを軸に就職活動をしました。当社の製品が縁の下の力持ち的存在として社会の身の回りに使われていることを知ったのが、就職の決め手となりました。

 田窪 もともとは化学よりも、数学や物理が好きで、なんとなく理系に進みました。大学院では光劣化などプラスチック材料の物性について研究を重ね、プラスチック材料のおもしろさについて知ると同時に、化学にも興味を持つようになりました。
大学院でのプラスチック材料の研究を通じて添加剤メーカーに興味を持ち、当社を選びました。

女性の割合多く、働きやすい研究所

 ◆入社後の印象や研究所について。

 島田 若い先輩方が多い印象です。営業部のある東京本社はフリーアドレスのため、他部署の方と隣り合わせになることあり、部署や年齢を超えた交流も多く活気が溢れ、風通しの良い職場です。

 飯守 上司にも気軽に相談ができる環境もあり、たくさん提案ができる会社だと思います。また、フラスコの持ち方などの基礎を始め、分析、評価方法まで丁寧に教えて頂き、指導体制が整っていると感じました。入社前、研究所は男性が多いというイメージがありましたが、当研究所は女性の割合も多く、仕事がしやすいです。

 田窪 研究所内に分析装置から加工機械まで、幅広く設備が揃っていて、研究所内で一通りの工程を完結できることは大きなメリットだと感じています。外部で装置を借りたり、委託をする必要もないので、迅速に開発を進め、お客様に提案することができます。また、武蔵浦和駅前という好立地のお陰で、東京本社との行き来も気軽にでき、営業部や関係者との連携もスムーズに行えます。

 ◆休日の過ごし方を教えてください。

 島田 学生時代には縁のなかったワンランク上のご褒美ディナーに行ったり、仲の良い同期とカフェで過ごすことが多いですね。美味しい物を食べて話して、ストレスを発散しています。

 飯守 家にある母の古い着物で着付けを楽しんでいます。まだ、勉強している段階ですが、いずれは京都や浅草などでお茶でもできれば良いなと思っています。

 田窪 外出が好きなので、できるだけ朝早く起きてランニングをして、体を動かすことを心掛けています。
食べることも好きなので、ランニングの途中でパン屋やお菓子屋に寄ることも多いですね。

*この記事はゴム・プラスチックの技術専門季刊誌「ポリマーTECH」に掲載されました。

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