【新社長インタビュー】バンドー化学 植野富夫社長

2022年04月04日

ゴムタイムス社

■ 新社長インタビュー

人の力が一番重要、社員との対話進める

バンドー化学 植野富夫社長

■就任の抱負は?
 世の中の変化が非常に激しく、今後においても先行きが不透明な時代の中で、社長を引き受ける事には多少不安もあるが、その一方で、どうせやるなら変化の大きい時代に挑戦したいという前向きな気持ちもあり、期待感も高まっている。入社以来30年、営業をはじめ、人事や企画、海外など様々な現場で仕事をした結果、人の力が一番重要だと考えている。社長になっても、これまで通りに現場の声を大事にしながら、社員のモチベーションを向上させ、その力を最大化させる事に注力していきたい。

■中期経営計画について。

 今年は現中計の最終年度となるため、まずは現中計の残った課題に取り組んでいく。取り組むべき課題は、はっきりしているので、その目標を達成するためにしっかりと事業を推進していきたい。一方で、来期は次期中計がスタートする年となる。将来を見据えて、社員皆がワクワク感を持てるような中計を策定していきたい。4月から具体的な策定に入るが、2050年の未来を見据えた上で、2030年に何をなすべきかの方針を策定していく。これまでの「新事業の創出」と「コア事業の拡大」という二本柱と、それを下支えするものづくりや経営品質の整備という構成は大きく変わらないが、これらの取り組みを有機的に結びつけ、社員のエンゲージメントを高めながら、しっかり結果を出すための仕掛けを作っていきたい。

■事業別の状況は。

 コア事業の筆頭である自動車分野は、EV化の動きが加速しており、内燃機関に使用される補機駆動ベルトの使用が減少する流れが明確になってきている。我が社においても、非常に大きなインパクトになるが、海外を含め、現行のエンジン車やHV車の生産は当面は継続され、補修交換需要も残るため、その需要の獲得にも取り組んでいく。
 一方で、EV車などでも使用される電動パワーステアリングや電動ブレーキシステムなどでも新たなベルト需要も出てきており、物を動かす用途における何らかの形での貢献も目指していきたい。
 産業用では、昨今、カーボンニュートラルなどで、省エネが再度求められる時代になってきたなか、HFDシステムなどの省エネ製品が脚光を浴びている。これらのニーズにもしっかりと応えていきたいと考えている。

■働き方改革と人材について。

 2018年に「働き方改革部」という専門部署を設置し、業務の現状分析を行い、プロセスの改善など様々な改革を推進してきた。最近では、「在宅勤務制度の適用範囲拡大」や、特別休暇である「ワクチン接種休暇」の導入を行った。また、人材育成では、職種別や階層別に幅広い教育カリキュラムを用意している。最近では将来を見据えて、国内外で活躍できる次世代リーダーを育成するための教育も行っている。人材育成は、持続性も大事になるので、今後も高い意識を持って継続していきたい。

■座右の銘は。

一つは「着眼大局・着手小局」。目標を見る時には大きな目線で見る事が大事だが、一方で行動にあたる時は様々なことに配慮して、細かい事に目を配りながら対応していくことが大事だと考えている。もう一つは「一期一会」。人との出会いを大事にする言葉であるが、私はこの一期に、仕事や課題やおかれた局面なども一期として捉えている。良くない出来事も後で振り返ると良い経験になることもある。その時その時で、人との出会いだけでなく、様々な課題に出会うことなども大事だと考えている。

 

植野富夫新社長

植野富夫新社長

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