【新年インタビュー】ニチリン 前田龍一社長

2022年01月18日

ゴムタイムス社

 

■ 新年インタビュー

電動化対応の製品開発を加速

ニチリン 前田龍一社長


 2021年度より2025年度までの新中期経営計画がスタートしたニチリン。アセアンや欧州など海外拠点の現況やSDGsやESG経営の取り組みについて前田龍一社長に聞いた。

 ◆21年を振り返って。

 コロナ影響を受けつつも、第1四半期は日本を含めた各地域の業績は良好に推移した。ただ、第2四半期になるとアセアンでは爆発的なコロナ感染が発生し、インドやベトナムではロックダウンが発生した。特に自動車用ブレーキホースを製造するベトナムでは厳格なロックダウンが実施され、アメリカへ輸出する製品の出荷が難しくなったが、タイや日本などグループを挙げて応援し、この難局を乗り越えた。
 第2、第3四半期はグループ全体で半導体不足の影響を受けたが、第4四半期は半導体不足は徐々に解消に向かいつつある。

 中期経営計画の1年目は厳しい環境下ではあったが、海外拠点の頑張りに助けられた面が強い。特に中国新工場の蘇州日輪(SNZ)の従業員が頑張った。上海日輪(SNA)から生産移管を進めるなかで、SNZは稼働してから間もなかったこともあり、20年は多少混乱した部分があったが、21年は管理面の精度向上をはかり、スムーズな生産が行える拠点に育ちつつある。中期経営計画1年目は80点と評価したい。

 ◆欧州の状況は。

 コロナ感染拡大よりも半導体不足の影響が大きかった1年だった。ただ、20年と比べると状況は確実に良くなっている。欧州では20年6月に英国工場をクローズし、スペインの拠点に生産を移管した。一方、東欧のブルガリアでは21年から現地企業にアッセンブリ加工を委託し、少量ではあるが自動車メーカーへ供給を始めた。欧州では23年くらいから量産が開始される製品もある。少し時間はかかるかもしれないが、スペインとブルガリアの2拠点で挽回していきたい。

 ◆物流問題や原材料高への対策は。
 コンテナ不足を理由に、中国から米国への船賃は一時期4倍に高騰した。春節以降の船賃は下がるとみているが、今後も船賃は高止まりしそうだ。

 原材料高への対応では、

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