【新年インタビュー】住友理工 清水和志社長

2022年01月06日

ゴムタイムス社

 新年インタビュー

拠点再構築を推進、反転攻勢の1年にしたい

住友理工 清水和志社長

 

 生産拠点の再構築を推進させている住友理工。清水和志社長に21年を振り返ってもらうと共に、今後の事業戦略などを聞いた。

 ◆21年を振り返って。  

 上期は第1四半期に前期比で自動車生産台数が増加したことなどにより、第1四半期の事業利益が最高益に近い水準に到達。第2四半期は自動車の減産などの影響を受けたものの、非自動車向けが好調を維持したため、上期全体では、事業利益は黒字で着地した。

 下期においても自動車生産が回復してくることが見込まれるので、通常よりも多く注文が発生した場合の対応を準備していく。

 産業用ホースは非常に好調で、特に中国で建機関係の引き合いが強く、人員が足りない状況だ。化成品はコロナによる在宅勤務の影響で、オフィスでの印刷需要の落ち込みが見られたものの、下期はコロナ前には届かないが回復傾向にある。全体としては、まさに、自動車生産の状況に左右されるジェットコースターのような1年だった。

一方、拠点再編策も進めている。富士裾野製作所の化成品事業は一部、防振事業は完全に他拠点・グループ会社への移管を行っていく。タイの2工場も一つに集約した。さらに欧州ドイツでは希望退職を募るなど、世界各地で筋肉質な経営体質・事業構造への変革に向けて施策を打っている。

 ◆コミュニケーションについて

 社内コミュニケーションの活性化にも、引き続き注力している。積極的に懇親の場を設け、従業員と直接対話する機会を増やしている。コロナ禍により社外の方との会食がなくなったこともあり、逆に従業員との対話の時間は確実に増えている。昨年は入社式もオンラインとなり、入社式後の懇親会も開催できなかった。そこで、感染状況を注視しながら、感染が落ち着いたタイミングを見計らい、ルールを厳守した形で、新入社員を小人数に分けて20回程飲み会を行った。

 また、会議が対面からオンラインに変更したので、通常社長が出ない部門レベルの会議にも参加している。様々な情報を入手し、現場レベルの情報を把握することもできた。

 このような従業員との直接対話により、従業員から受けた希望は即実行するようにしている。例えば、従業員がより簡易に情報を受け取れるよう、社内報や会社に関する情報を個人のスマホで見られるようにした。また夏場の工場では一定の距離を保てていればマスクをしなくていいルールを設けるなど、製造現場からの意見を吸い上げることも出来ている。それから、社長就任時に、社内外にメッセージを伝える場として開設した「社長ブログ」にメールが届いた場合は、できる限り返信をするようにしている。

 ◆一般産業用品について

 

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