【新年インタビュー】金陽社 中田惠二社長

2022年01月05日

ゴムタイムス社

■ 新年インタビュー

高付加価値品の拡販図る

金陽社 中田惠二社長

 

 3ヵ年の中期経営計画が21年度に最終年度を迎える金陽社。足元の21年度上半期業績ならびにロールやブランケットの需要動向、中計の進捗状況、期待する製品など中田惠二社長に聞いた。

 ◆足元の業績は。

 21年度上半期業績は、売上は前年同期を上回り、コロナ前の19年度上期水準まで戻っている。利益についても経費削減などの様々な取り組みを進めた結果、前年同期に比べ増加した。
部門別では、輸出向けのブランケットが好調だ。コロナから各国の経済活動が再開し、ブランケットの需要も回復した結果、米国、欧州共にコロナ前を上回った。中国は国内需要回復に加え、為替影響で売上が増加した。付加価値の高いブランケットの採用が現地で進んだことも寄与している。
 一方、国内のブランケットは回復を実感するには至っていない。デジタル化の進展により印刷市場が縮小していることもあり、前年は上回ったものの、コロナ前の状況には戻っていない。
 ロールも印刷用はブランケットと同様の状況であり、上半期は前年並みを維持したものの、コロナ前の状況には戻っていない。
工業用も前年は上回ったものの、コロナ前の状況には戻ってない。業種別にみると、製紙用は巻き替え需要が大きく減っており厳しい受注環境が続いている。鉄鋼用は製鉄所のライン閉鎖や統合などで厳しい受注環境にあるが、一部顧客の生産回復や、特殊な工程で使われる製品開発に力を入れたことで、需要の落ち込みをカバーできた。フィルム用ロールは堅調。機械メーカーの新規案件が回復してきており、また国内で光学フィルム工場のライン増設が決定するなど、国内での設備投資に回復の兆しが見える。フィルム用は今後のさらなる拡大に期待したい。

 ◆OA機器用ロールの現況は。

 大きく落ち込んだ20年と比べると21年は受注回復の兆しがみられた。コロナ前にはそう簡単には戻らないだろうと思われるが、当社の強みを発揮できる高付加価値な製品を中心に拡販を図りたい。

 ◆中計の進捗状況を。

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